ホームページの目的は事業内容を理解してもらうことだと思っていませんか?
目次
ホームページで事業内容、そこまで理解してもらう必要って本当にあるの?
今回はですね、長ったらしいテーマで申し訳ないなとは思うんですけども、「ホームページで事業内容を理解してもらう必要があるのか?」というあたりについて、お話しさせていただきたいなと思っております。
きっかけは、あるお客様からのご相談だったんです
と、申しますのも、この間ですね、お問い合わせいただいたお客さまで、リニューアルしたいというお話だったんですね。その理由がいくつかあったんですけど、その中の一つにですね、現状ホームページからお問い合わせは、まあ、いただいていると。ただ、実際に打ち合わせをしてみると、「どんなことができるのか?」あるいは、その会社の事業内容…強みって言うんですかね、そういったものが、こう、伝わってなかったりする、と。そういうお悩みポイントもリニューアルの理由の一つだよ、なんていうふうに伺ったんです。
それを聞いてですね、最初は「ふんふん、なるほどな」と思ってたんですが、よくよく考えると、それが今回のテーマに繋がってくるんですけど、「あれ?事業内容を理解している必要って、そんなにあるのかな?」と思ったのが、このテーマでお話ししようかなと思った、きっかけになります。
「え、お問い合わせもらえているなら、それで良くない?」という疑問
事業内容を理解してもらう必要がない理由、というのもですね、お問い合わせをしっかりもらえているんであれば、それはそれで、もう、いいんじゃないかな、という気が、ちょっとしてしまったんですよね。
ホームページの「ゴール」をどこに置くか、というお話
これって、結局ホームページのゴールをどこに定めるかっていう、そういう話かと思いまして。とにかく会社さんによって、ホームページのゴールって、まあ、違うと思うんですけどね。
例えば、BtoBの企業ホームページの場合
その会社さんの場合は、主にBtoB、つまり企業同士のお取引がメインとなっている会社さんだったので、ホームページのゴールとしては、まずお問い合わせいただいて、その内容をもとに打ち合わせの日時を設定して、で、実際に打ち合わせとかご提案をして契約に繋がる、といった、そういう流れになるわけですよね。
ということはですよ、ホームページのゴールっていうのは、まず「お問い合わせをもらうこと」であって、「事業内容を隅から隅まで理解してもらうこと」では、必ずしもないんじゃないかな、 と思ったんです。なので、「事業内容を無理に理解してもらう必要って、実はないんじゃないですかね?」なんていうお話を、ちょろっとさせていただいたんですね。
もちろん、事業内容や強みが伝わるに越したことはないんですが…
もちろんですよ、強みだったりとか、多く伝わった方がいいに決まってますし、事業内容もですね、例えば価格帯。高い価格帯から安い価格帯まで、いろいろあるじゃないですか。で、自社の提供しているサービスが、ちょっと高級路線なんだよ、と。そういう場合に、すごく低い価格帯を求めている方に、こう、お問い合わせをされてしまった時に、「いや、ちょっとうちでは対応できないです…」みたいなことが起こりうるので、当然、事業内容もきちんと理解してもらうに越したことはない、というのは大前提としてあるんですよ。全く必要ないわけではない、というのが前提です。
ここで、事業内容をホームページでしっかり理解してもらうことのメリットを整理してみましょう。
- 価格帯のミスマッチを防ぎ、無駄な対応コストを削減できる可能性がある。
- 自社の強みや特徴が正確に伝わることで、より質の高い見込み客と出会える可能性が高まる。
- サービスや商品への深い理解が、顧客満足度や長期的な関係構築に繋がることがある。
- 他社との違いが明確になり、競争優位性を示しやすくなる。
お問い合わせが満足いく数だけ来ているなら、一旦は目的達成?
ただですね、お問い合わせが、ある程度満足いく数もらえているのであれば、それはそれで目的は達成してるのかな、と。もちろん、もっと増やしていきたい、というお気持ちも、それは重々分かっているんですが。
ホームページって、隅々まで読んでもらえるものじゃない、という現実
僕がそこで言いたかったのは、ホームページって、隅々まで読んでくれる人って、前提として少ないと思っているんですよね。 なので、なんとなくホームページを見て、「なんか良さそうだな」とか「信頼できそうだな」って思ってもらえれば、それでお問い合わせのメールをもらえれば、それはそれで、ホームページとしての一つの役割を達成してるんじゃないか、というのが僕の言いたかったことなんです。
一方で、必ずしもホームページの内容を隅々まで理解されなくても良い、あるいはそう割り切る考え方にも理由があります。
- ホームページの主目的が「まずはお問い合わせをもらうこと」であれば、詳細な理解はその後のステップでも良い。
- 訪問者の多くは情報を流し読みする傾向にあり、全ての情報を読んでもらうのは現実的ではない。
- 「なんとなく良さそう」「信頼できそう」といった直感的な印象が、問い合わせの動機になることも多い。
- 詳細な情報提供よりも、訪問者の課題に寄り添う姿勢や、解決策の存在を匂わせることの方が効果的な場合もある。
だから、当然事業内容とか、ここには書いてないんですけど強みとかを理解してもらう必要はもちろんあるんですよ。あるんですけど、ホームページの役割ってなんだっけ?というのをちょっと考えていただけると、より良いホームページになるんじゃないかな、ということで。
逆転の発想?正確に伝わっていなくても問い合わせが来る理由
逆に言えばですよ、事業内容が正確に伝わってなくても、強みが正確に伝わってなくても、なぜかお問い合わせしたくなるようなホームページかもしれない、と。その理由が、また別にあるかもしれない、と。そういった考え方も、ちょっとこう、考慮していく必要があるかもしれないですね、というお話もさせていただいたんです。
もちろん、これはちょっと横道にそれちゃうかもしれないですけど、事業内容をより伝えるためだったり、強みをより伝えるためのご提案も、それはそれとして、させていただくんですけれども、「それ以外で、なんでお問い合わせをもらえているんだろう?」という、その要因はなんだろう、と考える必要もあるんじゃないかな、 と。そういうことをお伝えさせていただいた、ということですね。
一言でまとめると…
つまり、全体をですね、一言でまとめるのであれば、「ホームページは、全てを理解してもらうためのものじゃない」 ということが、今回言いたかったことになります。
じゃあ逆に、事業内容を「完全に」理解してもらった方がいいホームページって、どんなの?
では逆にですね、当然、事業内容、先ほどから何度も申し上げてますとおり、事業内容とか強みとかも、もし伝わっていれば、実はお問い合わせをもらえてたかもしれないお客様っていうのも、もちろんいらっしゃるわけですよね。そういうところの取りこぼしをしないような、きちんとした魅力が伝わるホームページにするのは、もちろん大事なんですけれども。
じゃあ逆に、「完全に理解してもらった方がいいホームページってなんだろう?」と考えたんですよね。そういうサイトも、確かにあるな、と考えてみて思いまして。
それはズバリ「マニュアル型ホームページ」じゃないかと思うんです
じゃあ、そういうサイトってどんなサイトだろうか、と考えてみると、こういうことじゃないかな、と。いわゆる「マニュアル型ホームページ」というものがあれば、それは全てを理解してもらう必要があるんじゃないかと思うんです。
例えば、コールセンター業務をサポートするようなもの
要は、コールセンターとか、そういうところで、お客様からの日々の疑問って、こう、受け取ってますよね。で、「それはこういうことですよ」と伝えていると思うんですが、それを少しでもしなくてもいいように、とか。あるいは、いちいち電話をするのが面倒だな、というお客様のために、ホームページにヘルプを用意する場面がありますよね。そういう時に使うのが、マニュアル型のホームページなのではないか、と思うわけです。
代表的なもので言うと、「よくあるご質問」ですね。みなさんもご経験あると思うんですけど、例えば自分の使っている携帯電話だったり、そういうもので、「あれ?引き落とし日っていつだったっけ?」とか、「契約期間ってどうだったかな?」というのを、オフィシャルのホームページに行って調べたりしますよね。
こうしたマニュアル型ホームページの具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
- お客様からのお問い合わせ対応の負荷を軽減するための「ヘルプページ」や「サポートサイト」
- 製品やサービスに関する疑問を自己解決できるようまとめた「よくある質問(FAQ)」ページ
- 携帯電話の契約内容確認や、各種手続き方法を案内する「会員向けサポートページ」
- 家電製品などの取扱説明書を掲載している「製品マニュアルページ」
- 株主や投資家向けに経営状況や財務情報を開示する「IR情報サイト」
会員向けサイトにも載っていることもあると思いますし、会員でなくても、例えば家電製品とかそういうので、マニュアルを調べに行ったりしたことも、みなさん、あるんじゃないかと思うんですが。
マニュアル型ホームページに求められる「確実性」と「利便性」
そういう時って、目的のものをすぐ見つけて欲しいですよね。 「ここを読んでもらえれば解決しますよ」というコンテンツを、なるべく確実にWeb上で見てもらいたい、と。そういった目的のサイトは、こういうマニュアル型のサイトに類するんじゃないかと思うんですけども。
Web上でお客様の疑問を解決し、オペレーションコストも削減
Web上でお客様の知識を補完したり、オペレーションをなるべく少なくするための、まあ、言ってみれば人件費を下げるために作った、こういったマニュアル型のサイトというのは、ホームページの内容をなるべく正確に理解してもらって、かつ、その導線とかも、その目的の場所に、こう、行きやすくするようなホームページである必要はあると思います。
マニュアル型ホームページがその役割を果たすためには、特に以下の要素が求められます。
- 情報の網羅性と正確性: 訪問者が必要とする情報が、正確かつ十分に提供されていること。
- 検索性とナビゲーションの容易さ: 目的の情報に素早く、簡単にたどり着けるような設計になっていること(優れた検索機能、分かりやすいカテゴリー分類など)。
- 自己解決の促進: 訪問者が疑問や問題を自力で解決できるように、情報が整理され、分かりやすく説明されていること。
- 更新頻度と最新性の担保: 情報が常に最新の状態に保たれ、古い情報で混乱させないこと。
- アクセシビリティ: 多くの人がどんな状況でも利用しやすいように配慮されていること。
他にもある?情報を正確に理解してもらうべきサイト
あと他にどういったサイトがマニュアル型であるかな、と考えますと、例えばIR情報を掲載しているような、上場企業のWebサイトも、このマニュアル型に類する部分が一部あるんじゃないかと思いますね。株主の方々に、自社の成長度合いや強みをしっかり理解していただく必要があるので、IR系の情報発信サイトとかも、Web上で理解を完結してもらう必要があるものかなと思います。
もしかしたら、他にもあるかもしれないんですけど、ちょっと考えた感じでは、そういうものがあるかな、と思います。
参考:ホームページのタイプ別役割比較
これまでの話を整理すると、ホームページはその目的によって重視するポイントが異なってくると言えそうです。ここでは、「問い合わせ獲得を重視するサイト」と「マニュアル型サイト」を例に、その役割を比較してみましょう。
比較項目 | 問い合わせ獲得重視サイト | マニュアル型サイト |
---|---|---|
主な目的 | お問い合わせ獲得、見込み客との接点創出、興味喚起 | 情報提供による自己解決促進、サポート業務の効率化、正確な情報伝達 |
訪問者の理解度 | 全てを詳細に理解しなくても可、「なんとなく良さそう」という印象でも行動を促す | 正確かつ詳細な理解が必要 |
コンテンツの方向性 | 訪問者の課題への共感、解決策の提示(概要)、信頼感の醸成、魅力的な訴求 | 網羅的で正確な情報、分かりやすい説明、検索のしやすさ、論理的な構成 |
重視する導線 | お問い合わせフォームや連絡先へのスムーズな誘導 | 目的の情報(FAQ、マニュアル等)への迅速なアクセス、関連情報へのリンク |
KPIの例 | お問い合わせ数、コンバージョン率、サイト滞在時間(興味度合い) | 問題解決率、サポートコスト削減効果、FAQ参照数、情報検索の成功率 |
まとめ:バランスが大事
今日はですね、こういった「ホームページで事業内容を理解してもらう必要があるのか?」というテーマでお話しさせていただいたんですけども、何度も申し上げているんですが、前提として、事業内容を理解してもらったり、強みを理解してもらって、お客様によりサービスを魅力的に感じてもらう、と。それ自体は、非常に大事なことではあるんですけども、 なんとなくいいと思ってもらって、お問い合わせにつなげるようなWebサイトのテクニック、見せ方のテクニックだったり表現も大事なので、全てのお客様が、隅から隅まで、きっちり理解している必要はないんじゃないか、 というところも、考え方の一つとしてお伝えできればと思って、こういった記事にさせていただいてます。
また、こういった実際の現場で起こったことだったり、ご質問を記事にして、みなさまにもお伝えしたいと思います。最後までお読みくださりありがとうございました。