【AIの無断学習に終止符】”無限ループ”でハメる!Cloudflareの新防御策「AI Labyrinth」の仕組み
目次
どうも、ウェブ企画パートナーズの竹内です。今回はですね、Cloudflareさんが新しいサービスをリリースしたということで、そちらの情報をお伝えしていきたいと思います。
AIをブロックする新兵器「AI Labyrinth」登場!
Cloudflareが放つ、AI対策の新たな一手
Cloudflareさんがどのようなツールをリリースしたかと言いますと、その名も「AI Labyrinth」という名称となっておりまして、こちらブログで「リリースしたよ」というのを発表しているんですよね。
「AI Labyrinth」は何をするためのツール?
この機能が何をするかと言いますと、昨今AIがめちゃくちゃに増えておりまして、AIは学習させて何かを生成させてるじゃないですか。いろんなWebサイトのデータをバーって根こそぎ回収して、それを学習させてサービスとして提供してるんですよね。
具体的に「AI Labyrinth」がどんなことをしてくれるのか、主なポイントを挙げてみるとこんな感じです。
- AIによるウェブサイトからの無断データ収集をブロック
- 悪意のある、またはルールを守らないAIクローラーを特定し、架空のページ(迷宮)へ誘導
- 誘導したAIに、意味のない、あるいは混乱を招くような情報を延々と学習させる
- 結果として、AIサービス側のリソース(時間や計算能力)を無駄に消費させる
- ウェブサイトのコンテンツ制作者の権利や、オリジナリティを守ることに繋がる
それって当然、Webサイトのコンテンツ制作者からしたら、気に入らないじゃないですか。AIで儲けるために自分たちのデータを無償で提供してることになっているので、すごく嫌だと思うんですよね。例えば、イラストの業界だったりが「すごくやめてくれ」と。あと声優さんとかも問題になってたりすると思うんですけど、それを防ごうということで、この「AI Labyrinth」をWebサイトに埋め込むという話なんです。
AIによるデータ収集の現状と、その問題点
知らないうちにデータが…AIクローラーの動き
本来はAIの「クローラー」っていうんですけど、学習するためのロボットがWebサイトに入ってくるんですよね。「あっ、そのロボットちょっとうちお断りします」ということを伝えることができる命令があるんです。それをWebサイト側で出しておくと、「あっ、ごめんなさい」って言って帰っていくんですけど、それを無視して入ってくるAIクローラーもいるんですよね。そういうのを対処しようというのが、この「AI Labyrinth」のコンセプトになってます。
このAIによるデータ収集、具体的にどんな問題があるのかというと、主に以下のような点が挙げられます。
- コンテンツの無断利用・学習: 制作者の許可なく、ブログ記事、画像、音声などがAIの学習データとして利用されてしまう。
- 著作権侵害の可能性: 学習データとして利用された結果、AIが生成したものが元の著作物に酷似し、著作権を侵害してしまうリスクがある。
- クリエイターの収益機会の損失: 本来有料で提供されるべき情報や作品が、AIを通じて間接的に無料で利用されることで、クリエイターが正当な対価を得られなくなる。
- ウェブサイトへの過度な負荷: 大量のAIクローラーが頻繁にアクセスすることで、ウェブサイトのサーバーに負荷がかかり、表示速度の低下や、最悪の場合サーバーダウンを引き起こす可能性がある。
「AI Labyrinth」はAIクローラーにどう立ち向かうのか?
無視するAIクローラーへの巧妙な罠
では、どのように攻撃を防ぐか、侵入を防ぐかなんですけど、まずAIクローラーがWebサイト側の拒否命令を無視して入ってきましたと。そしたらCloudflareがそれを検知して、架空のWebページみたいなのをCloudflareが一瞬で作り上げて、そこにAIのクローラーを誘導させるんですね。
AIを迷宮に誘い込み、無駄な学習を強いる
誘導して入ったらどうなるか。なんと、意味不明な文字列とかの学習データを無限に学習させ続けるんです。このロボットを動かすのに、AIサービス側が「トラフィック」っていって、データ通信をすごくするので、無駄なデータをたくさん集めちゃうことになるんですよね。
AIを「抜け出せない迷宮」へ
そこから抜け出せなくするっていうのがすごいですよね。これが「AI Labyrinth」のコンセプトのサービスみたいです。
過去の類似サービスとの比較
実は過去にもあった!AIクローラー対策ツール
このサービスなんですけど、実は過去にも似たようなサービスが登場して、すごく話題になってました。
「ネペンテス」という先駆者
それがこちらですね、「ネペンテス」と言われるツールで、これはおそらく個人の方が開発された、ほぼほぼ同様のサービスと思ってもらって大丈夫です。
ここで、「AI Labyrinth」と、以前からあった「ネペンテス」を少し比較してみましょうか。
特徴 | AI Labyrinth | ネペンテス |
---|---|---|
提供元 | Cloudflare (企業) | 個人開発(OSSとして公開されていることが多いです) |
導入の容易さ | 非常に簡単 (Cloudflareの管理画面から設定可能) | 専門知識が必要な場合があり、環境構築に手間がかかることがある |
利用料金 | 無料プランで利用可能 | 基本的に無料 (OSSの場合) だが、運用コストは自己負担 |
主な機能 | AIクローラーの検知、架空ページへの誘導、無意味なデータ学習 | AIクローラーの検知、ハニーポットとしての機能、遅延応答など様々 |
サポート | Cloudflareによるサポートが期待できる(プランによる) | コミュニティベースのサポートが主 |
「ネペンテス」の導入ハードル
ただ、ネペンテスはちょっと自分で色々環境構築をしないといけないので、障壁が若干高いんですよね。
「AI Labyrinth」の強み:手軽さと無料プラン
なので今回のCloudflareのサービスを利用すると、簡単に無料プランでも利用できるので、簡単に実装できるのが強みじゃないかなと思います。
「ネペンテス」の名前の由来は食虫植物
ちなみにこの「ネペンテス」の由来なんですけど、食虫植物の名前みたいでして、口を開けてる植物にAIのロボットが何も知らずに入ってくると、パクッと捉えてもう逃しません、そういう意味合いのサービスみたいです。面白いですよね。
「AI Labyrinth」の導入メリットとCloudflareの戦略
なんと無料で利用可能!
先程もちょろっと言ったんですけど、この「AI Labyrinth」というサービスは無料で利用できるみたいでして。Cloudflareのブログにスクリーンショットが貼り付けてあったんですけど、「Setting」から「Block AI Bots」をONにしていただくと、AIのブロックができるようになるということです。
「AI Labyrinth」を導入することで、ウェブサイト運営者には以下のようなメリットが考えられますね。
- 無料でAIボット対策ができる: これ、一番大きいですよね。追加コストなしで対策を始められます。
- 設定が非常に簡単: Cloudflareのユーザーであれば、管理画面からスイッチを切り替える程度で有効化できる手軽さがあります。専門的な知識があまりなくても大丈夫そうです。
- コンテンツの無断利用リスクを低減: 大切に作ったコンテンツが、知らないうちにAIの学習に使われるのを防ぐ一助となります。
- Cloudflareの他のセキュリティ機能との連携: CDNだけでなく、WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)など、Cloudflareが提供する他のセキュリティサービスと併用することで、より強固なサイト保護が期待できます。
無料提供の背景にあるCloudflareの狙い
そういった無料で提供してくれてるのも非常にでかいですよね。Cloudflareとしては、CDNサービスを提供してるサービスでして、ご存知の方も多いかもしれないんですが、画像データとかをWebサイトに直接埋め込むんじゃなくて、Cloudflare側から画像を呼び出すことで、その人のアクセスしている最も近い地域から画像データとかを呼び出すので、サイトが軽くなりますよっていうサービスがあるんですけど、そちらのサービスの一個として無料で使えるようになったということです。ついでにCDNサービスも使えるよ、というのがCloudflareさんの戦略だとは思うんですけどね。
まとめ:AI時代におけるコンテンツ保護の重要性
AI市場に一石を投じるサービス
過熱しすぎてるというか、無法地帯となっているAI市場に一石を投じたようなサービスになったんじゃないかなと思いますね。
ウェブサイト運営者にとっての福音となるか
これを行うことによって、サイトが重くなりすぎないようだったら、ぜひ弊社でも導入してみたいなと、このニュースを見ていて思ったんですけど、皆さんも有益な情報、オリジナリティのある情報を提供していればいるほど、こういったサービスをぜひ導入していただいて。
AIに全て学習されてしまっては、あなたのWebサイトに訪問する価値がなくなってしまうということになりますので、こういった対策もそろそろしないといけない時代になったんじゃないかなと思います。
またこういった情報あれば、どんどんお伝えしていきたいと思います。お読みくださりありがとうございました。