【独自解説】サイト評判不正利用の新定義とは?Google最新アップデートの裏側を徹底分析
目次
サイトの評判不正使用に関するGoogleのポリシー変更について
こんにちは、ウェブ企画パートナーズの竹内です。今回は「サイトの評判の不正使用」について、最近海外(特にアメリカ本社サイド)で動きがあったという情報を共有させていただきます。実は、これを確認しているのは11月末頃なのですが、そのタイミングでGoogle側からポリシーに関する更新があったので、そのポイントを皆さんにお伝えできればと思い、記事を書いています。
なぜこの話題が注目されているのか?
SEO業界では、ここ最近「サイトの評判不正使用」が話題になっています。もともと今年の初めから一部で問題視されてきたもので、Googleが再定義・対策を進めている分野です。いわゆる「ランキングシグナルを利用してサードパーティーのページを公開し、不正に検索ランキングを操作する行為」に対して、Googleが明確な線引きをする方向へ動いているわけです。
Forbes Advisorが注目事例となっている背景
ここで例に挙がっているのが「Forbes」という有名なメディアです。その下層ドメインとして「Forbes Advisor」という商品レビューサイト(アフィリエイトサイト)が存在しています。Forbes本体は非常に強力なドメインパワーを持っていますが、その力を利用してForbes Advisor内で商品レビューやアフィリエイトコンテンツを展開し、収益を上げるという手法が問題視されているわけです。
アフィリエイトが悪いわけではありません。優良な商品を紹介し、その対価として報酬を得る行為は、YouTuberが商品を紹介して報酬を得るのと似たようなもので、決して反社会的な行為ではないと思います。しかし、問題になっているのは「親ドメイン(Forbes)の強い力を使って検索ランキングを不正に操作するかのような形態」だと捉えられている点です。つまり、公平性を欠いていると見られ、Google検索の「健全性」を損なう可能性があるため、注目を集めているのです。
ポリシー変更の具体的なポイント
さて、Google Search Centralの英語版では、2024年11月に更新されたページが公開されており、ここで「サイトの評判不正使用(Reputation Abuse)」の再定義が示されました。
重要なのは、英語版では「サイトの評判の悪用とはホストサイトのランキングシグナルを利用してサードパーティーのページを公開し、検索ランキングを不正に操作しようとする行為」と明記されたことです。
一方、まだ日本語版のGoogle Search Centralドキュメントには、この新たな定義が反映されていません。日本語版には、まだ「ファーストパーティーの監督・関与がほとんどない状態でサードパーティーのページを公開することを指す」といった文書が残っている状況です。
つまり、以前は「本体がきちんと監修していれば問題ない」というニュアンスでしたが、新定義では「監修・関与の有無とはあまり関係なく、ランキングを不正操作する意図が問題」という方向にシフトしているわけです。
違反した場合の対応
もし、この新しい定義に反する形でサイトが運用され、Googleから「サイトの評判不正使用」と判断されると、手動対策(Manual Action)を受ける可能性があります。その際は、サーチコンソールからサイト所有者に通知が届き、再審査リクエストを送ることで解除の可能性を探ることになります。
今後、このような「親ドメインの強大な力を用いた不正なランキング操作」がより厳しく取り締まられることになれば、その収益モデルで成り立っていた一部のサイト運営者は、早めに戦略転換を迫られるかもしれません。
個人的な見解:本当に悪いのは誰か?
ここで、少し個人的な意見になります。僕自身は、この「ランキングの不正使用」そのものが一方的に悪だとは思っていません。というのも、それが可能になっているのは、Google検索そのものがまだ完成しきっておらず、脆弱性があるからではないか、と思うのです。
もしGoogleの検索が完璧な状態であれば、親ドメインの力を利用して不正に上位表示させるような手法は通用しないはずです。ところが、今の検索環境では、それがある程度有効であり、それゆえにビジネスとして成り立っている現実があります。ビジネスにおいて「できることをやる」というのはごく自然な発想ですよね。
もちろん、個人でコツコツと良質なレビューを積み上げ、正しい情報を提供しているサイトが、雑なレビューサイトにドメインパワーだけで負けてしまう状況は「フェアじゃない」と感じます。その意味で、こういった不正手法が是正されることは良いことかもしれません。
とはいえ、「評判を利用する人達」だけが悪であり、Googleは常に善という単純な図式にはならないと考えています。Google自体もまだ発展途上で、その検索ロジックの甘さを突く余地が残されているからこそ、こうした手法が生き残っているわけです。
もし、検索エンジンが圧倒的に精度を高めて、不正を許さない環境を整えることができれば、こういった問題も自然と減っていくのではないでしょうか。
まとめ
今回のGoogleの「サイトの評判不正使用」に関するポリシー更新は、Forbes Advisorのような「大手ドメインの下層で展開されるアフィリエイトサイト」をはじめとして、ランキング操作が疑われるサイトにとっては大きな転換点になりそうです。
今後、日本語版ドキュメントにもこの新ポリシーが反映されることで、国内のサイト運営にも影響が及ぶ可能性があります。特に、親ドメインの強い評価を活用した手法で上位表示を狙っているサイトは、早めに対策や方針転換を考えた方が良いでしょう。
ただ、個人的には、これを「悪いこと」をしたサイトだけの問題と捉えるのではなく、Google検索の未完成性やその環境におけるビジネスモデル全体の問題としても見ていくべきだと思っています。
今回は以上になります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。今後もこういった最新のSEO関連情報やGoogleの動向をキャッチアップしていきますので、引き続きよろしくお願いします。