Googleアナリティクスのページビュー数・セッション数・ユーザー数の違いは?

GoogleAnalytics初心者講座 最終更新日:2020/02/14 公開日:2019/12/17

ページビュー数・セッション数・ユーザー数の違い

「似たような指標でなかなか覚えられずいつも調べてしまう」

Googleアナリティクスの基本用語で頻繁に登場するキーワードであっても、ぼんやりとした違いでしか認識していない方も多いのではないでしょうか。

今回は、その疑問・悩みについてお答えしつつ、覚えるのではなく理解できるような解説を付け加えつつ、まとめました。

ページビュー数・セッション数・ユーザー数の違いとは

まずそれぞれの違いを簡単にまとめてみました。

  • ページビュー数:ユーザーが何ページ閲覧したのか
  • セッション数:ユーザーが一定期間で何度訪問したのか
  • ユーザー数:一定期間に訪問した重複を除いた人数

それでは詳しく解説していきます。

ページビュー数とは

ページビュー数とは、Webページを閲覧した回数のことを意味しており、”ページ”に重きを置いた指標になります。PV(ページビュー)数と呼ばれることもあります。

ユーザーがページを『3ページ』見れば、ページビュー数は『3』になり、『10ページ』ならページビュー数は『10』となるため、他の二つの指標と比べるとシンプルで分かりやすい指標です。

(例1)
Aページ→Bページ→Cページ→離脱 = 3ページビュー

(例2)
Aページ→Bページ→Aページ→離脱 = 3ページビュー
※重複したページを閲覧してもカウントされる

ユーザーには一切フォーカスせず、単純に対象のWebサイトがどのくらい閲覧されているかといった指標として確認される際に多く利用されます。

セッション数とは

セッション数とは、ユーザーがWebサイトへ訪問した回数を意味しており、”訪問”に重きを置いた指標になります。同一ユーザーでも複数回計測されることがある指標です。

例えば、Webサイトへ訪問したあとに一度離脱し、翌日に再び訪問すると合計2セッションとなります。

セッション数はWebサイトに訪問してから離脱するまでの一連の行動を1セッションとしてカウントし、離脱したことを”セッションが切れる”と言います。

Googleアナリティクスでは”セッションが切れる”タイミングをいくつか用意しており、カスタマイズも可能です。他にも”セッションが切れる”タイミングはありますが、後ほど詳しく解説します。

ユーザー数とは

ユーザー数とは、単純にユーザーがWebサイトに訪問した回数を意味しており、”ユーザー”に重きを置いた指標です。定められた期間内での計測であれば、1ユーザーが何度もWebサイトに訪問しても1ユーザーとして計測されます。

先に紹介したページビュー数・セッション数と比べると、必然的に数値は一番小さくなります。

例えば、とある2日のデータを集計した際、とある1ユーザーが2日間にそれぞれ1度づつ訪問し、合計10ページ閲覧した場合、それぞれの3つの指標は以下の通りになります。

  • ユーザー数 = 1
  • セッション数 = 2
  • ページビュー数 = 10

このように、ページビュー数・セッション数・ユーザー数は以下のような関係が出来上がります。

ページビュー数 ≧ セッション数 ≧ ユーザー数

この関係を覚えておけば、3つの指標の混乱を防ぐことができるようになるためしっかり覚えておきましょう。

まとめ

  • ページビュー数 = ”ページ”に重きを置いた指標
  • セッション数 = ”訪問”に重きを置いた指標
  • ユーザー数 = ”ユーザー”に重きを置いた指標

アクセス解析ツールの測定方法による数値の差について

ここからはページビュー数・セッション数・ユーザー数の意味を分かった状態で、さらに深堀りした解説をしていきます。

それぞれの違いは、測定タイミングの注意点を理解していれば、もう二度と3つの指標がどういう意味だったのか悩む必要が無くなります。

それでは1つずつ解説していきます。

ページビュー測定の注意点

ページビュー測定の注意点をお話しする前に、Googleアナリティクスのページビューがどのようにして測定されているのか、その方法についてまずはお話ししていきます。

アクセス解析ツールには以下の3つの方式があり、Googleアナリティクスはこの3つの中のウェブビーコン方式のアクセス解析ツールになります。

  • サーバーログ方式
  • パケットキャプチャ方式
  • ウェブビーコン方式

ウェブビーコン方式とは、HTMLにウェブ解析用の計測タグを埋め込み、アクセスログを解析サーバーに送ることでアクセス解析する方法です。

ここで注目してほしいのが、「HTMLにウェブ解析用の計測タグを埋め込む」というところ。

Googleアナリティクスでは、その計測タグを読む込む度にページビューをカウントします。つまり、計測タグが動けばページビューがカウントされるということです。

これを念頭に置いておいて、Googleアナリティクスがページビュー測定の注意点についてお話ししていきます。

Googleアナリティクスのページビューの注意点は以下の通りです。

  • 計測のタイミングはHTMLファイルに埋め込まれている計測タグが読み込まれ、サーバーに送られた時点でカウントされる
  • ページ再読み込みは計測タグが再度読み込まれるのでPV数が計測される
  • オフラインだと計測タグは読み込まれるがサーバーへデータが送信されないため計測されない

Googleアナリティクスは計測タグを読み込み、サーバーに読み込んだ情報を送った時点でページビューをカウントします。

ということは、『F5キー』によるページの再読み込みも計測タグがもう一度読み込まれるため、ページビューがカウントされてしまいます。

同じページを5回再読み込みすると、ページビュー数が『5』になるということです。

Google Chrome や Internet Explorer などのブラウザには、ページをオフラインで閲覧できるようにページを保存することができますが、保存したページをオフラインで閲覧したときはページビューはカウントされないので覚えておきましょう。

セッション測定の注意点

Googleアナリティクスでは、Webサイトを訪問したユーザー情報を一時的に保存する cookie を利用してセッションをカウントしています。

間違えがちな「セッション数 ≠ ユーザー数」ですが、セッションはあくまでも”訪問”に重きを置いた指標であるため、同一ユーザーでも複数回セッションをカウントされる場合があります。

以下の条件を1つでも満たした場合に新しいセッションとしてカウントされます。

  1. Webサイト訪問してから30分間操作が行われなかった場合
  2. ユーザーがGoogleアナリティクスのCookieを削除した後に再訪問した場合
  3. 午前0時を過ぎた場合
  4. 参照元が変更された場合
  5. キャンペーンURLが変更された場合

1,一定期間操作が行われなかった場合

Googleアナリティクスでは初期設定で30分間の操作がない場合、セッションが切れるようになっていますが、セッションを切るタイミングについては管理画面から 1分~4時間 の範囲で任意変更が可能です。

2,Cookieを削除した場合

Googleアナリティクスでは、ユーザーがWebサイト訪問の際にCookieを発行して、ユーザーと紐づけることで行動を追いかけます。

しかし、ユーザー側がブラウザ設定からCookieを削除した場合、そのユーザーと以前取得したCookieを紐づけることができないため、再度Webサイトへ訪問した際は新規のセッションとしてカウントされます。

3,午前0時を過ぎた場合

例えば23時58分にWebサイトに訪問し、そのままWebサイトを閲覧しているうちに0時を過ぎてしまった場合は、新しいセッションとしてカウントされるということです。

4,参照元が変更された場合

例えばサイトAからリンクをクリックしてあるWebサイトへ訪問したとします。そのあとすぐにサイトBからリンクをクリックして同じWebサイトへ訪問した時も新しいセッションが開始されます。

他にも自然検索から「ギター 処分方法」というクエリであるWebサイトへ訪問し、その後すぐに「ギター 断捨離」という別のクエリで同じWebサイトへ流入した場合も新しいセッションがスタートします。

このように参照元となったサイトが変わったり、検索の仕方が変わった場合などの流入経路が変化した場合、セッションが切れて、新しいセッションとしてカウントされます。

5,キャンペーンURLが変更された場合

キャンペーンURLとは、どこからWebサイトへ流入したのかを特定するためにパラメータというものを追加したURLのことです。

例えば、以下のようなURLのこといいます。

https://example.com/?utm_source=LINE&utm_medium=social&utm_content=line_lp&utm_canpaign=201912

キャンペーンURLについての詳細解説は割愛しますが、上記URLは簡単にいうと「2019年12月のキャンペーンでLINEからの流入」という意味です。

この場合はLINEからの流入としてセッションが1回カウントされますが、このキャンペーンURLがLINEからではなくTwitterからに変更になった場合は、新しいセッションとしてカウントされます。

ちなみにセッションの測定は大変複雑で、実際の行動とGoogleアナリティクスによる計測が一致しないことが多いので注意するようにしてください。

ユーザー測定の注意点

ユーザーの測定の注意点は、「ユーザー」という言葉からWebサイトへ訪問した一人一人の人数と捉えがちになりますが、ユーザーの測定はWebサイトを閲覧するためのツールである Google Chrome や Internet Explorer いったブラウザ単位で測定しています。

そのため、ある一人がパソコンで3つのブラウザと、スマホで2つのブラウザを使いWebサイトへ訪問した場合、ユーザー数の合計は『5』になります。

さらに、ユーザー数は指定した集計期間にWebサイトへ訪問したユーザーの数のことになるため集計方法には気を付けなければなりません。集計期間のどのタイミングで訪問しても、何度訪問しても、アクセスしたブラウザが同一であればユーザー数は「1」となります。

まとめ

  • ページビューは計測タグが読み込まれるタイミングで測定されるため、再読み込みなどでもカウントされる
  • セッションは条件を満たせば再度測定されるため、実際の行動とGoogleアナリティクスによる計測が一致しないこともある
  • ユーザーはブラウザ単位で測定されているため、Webサイトへアクセスした正確な人数ではない

ページビュー数・セッション数・ユーザー数を利用した「分析」事例

それでは、業務でも役立てられるGoogleアナリティクスによるページビュー数・セッション数・ユーザー数を利用した分析事例をご紹介します。

1ユーザーあたりのサイト回遊率を「ページ/セッション」で確認する

まず「ページ/セッション」とは、訪問別ページビュー数とも言われており、ユーザーが1セッションあたり平均でどのくらいページを見たのかを表す指標になります。

「ページ/セッション」の数値が高いほど、Webサイトがよく見られている、つまり回遊率が高いということです。

反対に「ページ/セッション」が低い数値の場合、訪問者をファン化したり興味を示せていないということになります。

管理画面から【オーディエンス】>【概要】でサイト全体の「ページ/セッション」を確認できます。

サイト全体のページビュー数を確認

この場合、「ページ/セッション」が1.24なので、1セッションにつき平均1.24ページ見ていることが分かります。何かしらの改善を施す場合、この数値より高くなれば回遊率が上がったといえます。

「ページ/セッション」はサイト全体とは他に、ランディングページ別でも確認できます。確認方法は【行動】>【サイトコンテンツ】>【ランディングページ】です。

※ランディングページ … ユーザーが閲覧を開始したページ

ランディングページでみたときのページ:セッション

ただ「ページ/セッション」の指標が低くても、必ずしも改善しなければいけないというわけではありません。ページの役割によっては必然的に低くなることがありますし、Webサイトの目標(資料請求やお問い合わせなど)が達成されていれば、特に問題がないこともあります。

反対に「ページ/セッション」の指標が高いにも関わらず、Webサイトの目標が達成されていない場合は、何かしらのボトルネックを見つけ出す必要があります。

ユーザーあたりの利用頻度を「セッション/ユーザー」で確認する

「セッション/ユーザー」とは、1ユーザーあたりの平均セッション数を表している指標です。

「セッション/ユーザー」が高いということは、ユーザーが何度も訪れたくなるようなWebサイトということです。反対に低い場合には、リピーターの少ないWebサイトとなります。

管理画面から【オーディエンス】>【概要】でサイト全体の1ユーザーあたりの平均セッション数が分かります。

1ユーザーあたりの平均セッション数

この場合「セッション/ユーザー」が1.17なので、1ユーザーがWebサイトへ訪問してくれている回数はおおよそ1〜2回になりますね。決して高いとは言えない数値です。

「セッション/ユーザー」も、Webサイトの属性により平均的に高かったり低かったりします。

例えばAmazonや楽天市場のようなECサイトや、Yahoo!ニュースなどのようなニュースサイトは、リピーターを生み出しやすい属性のWebサイトですから自然と高くなる傾向があります。月に何度も買い物をする人がいたり、ニュースサイトなら毎日配信されているニュース記事を読む人がいるからです。

一方、コーポレートサイトのような日常的な利用をしない属性のWebサイトでは、「セッション/ユーザー」は低くなる傾向があります。

もちろん、必ずしもそうなるわけではありませんが、1つの考え方として捉えておけば分析の際に参考になるでしょう。

新規ユーザーと再訪ユーザー(リピーター)の割合を確認する

Googleアナリティクスでの「新規ユーザー」は過去2年以内ではじめてWebサイトへ訪問したユーザーのセッションのことです。

一方、再訪ユーザー(リピーター)は過去2年以内にWebサイトへ訪問したセッション2回以上のユーザーのセッションを指します。

確認方法は【オーディエンス】>【行動】>【新規顧客とリピーター】です。

新規ユーザー・リピーターをGoogleアナリティクスで確認

新規ユーザーとリピーターどちらを優先して伸ばすべきなのかは、Webサイトの属性によって変化してきます。

例えば、Amazonや楽天市場のような何度も商品を買うことに適したECサイトでは、新規ユーザーを増やすことはもちろん重要ですが、リピーターを獲得したほうが売上の最大化に繋がる場合もあるでしょう。

一方、人生で何度も買うことがないような家や車を販売しているサイトは、リピーターを増やすより、新規ユーザーを獲得したほうが良いかもしれません。

分析する際に面倒なのでついつい一緒に分析してしまいがちですが、基本的には別々に分析することをおすすめします。

なぜなら、新規ユーザーとリピーターとではニーズやユーザー属性が異なるためです。

それぞれの改善施策を考えるときに一緒にしてしまうと、ターゲットにブレが生じてうまくいかなくなることがあるため、それぞれ分けて考えましょう。

ページビュー数・セッション数・ユーザー数を使った「改善」事例

3つの指標から、どのように改善方法を立案したら良いかに悩んだら参考にしていただければ幸いです。

関連ページへの導線を増やしページビューを改善

「Webサイトへの検索流入はそれなりにあるけれども、1セッションあたりのページビュー数が少ない」という状況によくある改善事例として、ページ内に次のページへ遷移しやすいようなリンクを貼り付けたり、関連ページへの導線を強化することです。

実際にあった事例としては、ページ/セッションが2.5だったオウンドメディアがサイト内導線を強化する目的のリンクを増やし、半年後にページ/セッションが4.2にまで上昇しました。

適当にリンクをページ内に増やしたら良いというわけではなく、ユーザーがコンテンツを読んでいて疑問に思うタイミングなどで関連ページへの誘導を計ると効果が発揮的です。

ページ/セッションの数値が低すぎるとお悩みの方は一度ページ内導線(リンク)を最適化してみることを1つの手段としておすすめします。

毎月メルマガで特別のオファーを送りセッション数・コンバージョン数を改善

「新規ユーザーからのセッション・購入は多いけれども、リピーターからのセッション・購入が少ない。このままだと安定した売上を作れない」という状況に対してメルマガを使った改善です。

新規ユーザーからの購入や新規登録などでメールアドレスが手元にあるのであれば、再訪問を促すためにメルマガで特別なオファーをすると効果が出ることがあります。

Amazonや楽天のようなECサイトから毎日のようにメールが来ることがありませんか?ユーザーがどんなものが欲しいのかをデータから割り出して、おすすめ商品のリンクを貼り付けて毎日のように送っています。

メルマガは再セッション・再購入を促すツールとして役に立つため、施策の視野に入れてみても良いでしょう。

新しいターゲット層向けのページを増やしユーザー数を改善

「既存のターゲットだけではWebサイトが成長しない、新しいターゲット層のユーザーへ訪問してもらいたい」という状況に対して新しいページの投稿による改善です。

既存のユーザーへのアプローチのためのコンテンツも重要ですが、さらにターゲットを拡大していくことで新しい顧客を作りだすことができます。

ただし、基本的にはメインコンテンツとの関連性の高いコンテンツを新しくページを増やさなければ成功しません。

実際にあった改善事例としては、メインコンテンツが副業に関するコンテンツだったため、副業をする人が興味を持ちそうなお金に関する情報を新規ページを追加すると新規ユーザー数が伸びていきました。

まとめ:ページビュー数 ≧ セッション数 ≧ ユーザー数の関係は理解しておこう

ページビュー数・セッション数・ユーザー数の違いや、それぞれの意味の理解をして、分析事例や改善事例をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。

最後に覚えてほしいことは、ページビュー数 ≧ セッション数 ≧ ユーザー数の関係を覚えておけば、3つの指標の違いについて混乱を起こさずにそれぞれの意味を思い出すきっかけにできるということです。

しっかり覚えて、Googleアナリティクスをより効果的に使いこなしていきましょう。

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