明太子が「博多スパイシーキャビア」に!? 海外向けウェブサイトで知っておくべき翻訳知識

コンテンツ 最終更新日:2025/03/02

こんにちは、ウェブ企画パートナーズの竹内です。今回は翻訳サイトについて解説していきたいと思います。

日本語版のホームページはあるけれども、海外版のWebサイトも作っていこうという方に向けて、お役に立てればと思いこの記事を書いています。既に日本向けのWebサイトがあって、うまく海外の方にもPRしていきたいという方は沢山いらっしゃるんじゃないかと思います。

技術外の翻訳のポイント

今回は「技術外編」として説明します。Googleが推奨する海外の方向けに多言語対応していくための、ページの作り方やHTMLの書き方などのマニュアルもありますが、そういった技術的な部分に沿って作ることも大事です。しかし、それ以前にそもそも翻訳した文章が海外の方にとって理解できるものか、興味を示せるものかどうかが重要です。そうでなければ、翻訳サイトを制作した意味がなくなってしまいます。

そこで今回は、技術外で役に立ちそうなことをご紹介します。初心者向けといいますか、詳しい方は翻訳会社の方に聞いた方がいいかと思いますが、「こんなことを実は考えなきゃいけないんだよ」という気づきになればと思います。

今回ご紹介するのは主に次の2つです:

  1. トランスクリエーション
  2. ローカライゼーション

トランスクリエーションとは

まずトランスクリエーションから説明していきます。ちなみに、他の動画をご覧になってくださっている方はご存知かもしれませんが、僕は英語が全然できません。英語自体は好きなんですが、全然できないという状況です。そんな人に解説されてもどうかとは思うんですけど、やはり携わっていると覚えてくることもあります。

トランスクリエーションとは、直訳できない言葉に対して想像・創作をして翻訳していくことです。「トランス」は翻訳という意味、「クリエーション」は創造するという意味で、想像しながら翻訳するということです。

例えば、慣用句が一例として挙げられます。「猫の手を借りたい」といった表現は、恐らくそのまま英語に翻訳しても通じないでしょう。そのため、現地に似たような慣用句があればその慣用句で説明する必要がありますし、なければ創作していく必要があります。「それくらい忙しい様子」をうまく表現できないと、興味を持ってもらえないという問題があります。

実例:明太子の翻訳

具体例として明太子があります。博多の有名な明太子は、元々「鱈の卵」と翻訳されて現地で売られていました。しかし、それでは気持ち悪いと感じられたり、現地の方が生魚を食べる文化がなかったりすることで、いまいち浸透しませんでした。

そこで翻訳の方が頑張ってトランスクリエーションした結果、「博多スパイシーキャビア」と翻訳しました。そうしたら人気が出て、海外でも受け入れられるようになったという事例があります。確かにうまい表現ですね。キャビアではないですが、博多のスパイシーなキャビア的なものということで、「博多スパイシーキャビア」という名前にしたのだと思います。

結局、翻訳サイトは何らかの成果を生みたいホームページだと思いますので、そこで商品を買ってもらったり、お問い合わせしてもらったり、店舗に訪問してもらわないと意味がありません。そういう時にトランスクリエーションを活用して購買意欲をそそるように工夫することが大事になります。

ローカライゼーションとは

2つ目がローカライゼーションです。同じ言語でも地域によって変わる言葉があります。例えば英語もそうですし、スペイン語でもスペインで話されているスペイン語と、メキシコなどのエリアで話されているスペイン語では、同じスペイン語でも慣用句に違いがあったりします。先ほども出ましたが、同じ単語も違うニュアンスを持っていたりすることが実際に起こり、それに対応していくのがローカライゼーションです。

実例:スニーカーの呼び方

有名な例としてスニーカーがあります。マイケル・ジョーダンのスニーカーなどで、若干世代がばれてしまいますが(笑)、スニーカーの言い方もアメリカではそのままの意味通りで「スニーカー」ですが、同じ英語がよく使われているイギリスではスニーカーのことを「トレーナーズ」と言うようです(正しい発音がトレーナーズかわかりませんが)。オーストラリアでも英語が使われていますが、オーストラリアでは「ランナーズ」と言うようです。

聞けば日本人でも「ランナーズねスニーカーね」となんとなく分かりそうではありますが、スニーカー1つとっても微妙にニュアンスが違ったりします。ローカライゼーションの例として、もしあなたがスニーカーを販売しようとしている時に、オーストラリアの方に向けて「スニーカー」と書くと、全く何のことを言っているのか分からないということになりかねません。そういうローカライゼーションというのは意識して制作していただく必要があります。

なんとなく「英語圏」みたいな感じでまとめて考えてしまうと、この2つの壁にぶつかってしまうことがあるということだけ覚えておいてください。だから翻訳会社さんが必要なんだな、とそういったところを捉えていただくといいですね。

ChatGPTと翻訳について

最近ChatGPTを使って翻訳するということも増えていると思いますが、そういった際にトランスクリエーションやローカライゼーションを意識して翻訳してくださいというようなことを言うと、より良いプロンプトとなって、現地の方にも理解してもらいやすい翻訳文ができあがる可能性があると思います。

その他の考慮点

他にも色合いが重要になってきたりすることがあります。色の言葉の使い方の意味なども違うと思いますし、アメリカだと蛍光色が好まれたりすることもあります。そういった意味でも、現状のサイトのデザインそのままを英語にだけ翻訳して出せば受け入れられるかというと、そうでもなかったりします。

また、祝日や自然災害の扱い方も国によって異なります。自然災害への恐怖の捉え方なども国によって違うと思うので、迂闊に言葉に出さない方がいいこともあります。祝日の捉え方や重要度も違います。

例えば、以前芸人のかまいたちさん(訂正:千鳥さん)がYouTubeで話していたのですが、中国のドラマサイトのようなものがあって、ドラマを一気見したら広告でよく出てくるから気になって見てみたら、やたらと正月を強調するそうです。「何でこんなことするんだ、今日正月なのに」とか、ことあるごとに(嘘か本当かというくらい)正月を使うということを言っていました。これも正月という祝日に対しての言葉の捉え方の違いだと思います。「正月だから買いたい」といったフレーズを入れることで、より購買意欲をそそる可能性が出てくることもあるかもしれません。

まとめ

今回は、お客様との間で翻訳会社に頼む意味があるのかとか、自社で翻訳しますといった翻訳に関するやりとりをさせていただくことが多いので、翻訳会社に頼むとどういったところでメリットがあるのかを理解してもらうきっかけになればと思い、こういうポイントをピックアップさせていただきました。

弊社の場合、翻訳機能は社内になくて、パートナー企業さんが複数いるので、リソースの状況やお客様の翻訳してほしい言語などによって、パートナー会社さんと協力しながらホームページを作っていくということをしています。また、どうしても予算を抑えたいということでしたら、ChatGPTに翻訳してもらったりもしています。

他にも、インスタの投稿の日本語版を英語版に翻訳して投稿の代行をするといったこともしているのですが、その時にこういう知識があるのとないのとでは大きく変わってきます。「あれ、この言葉って海外であるのかな」といったことに、日本語しかできない方でも気づくきっかけになればと思い、ご紹介させていただきました。

それではまた!

CONTACT

Webサイト制作のご相談やご質問、ご不明点などございましたらこちらよりお問い合わせください。
「ホームページ制作について」とお伝えください。担当者におつなぎいたします。

オフィス一覧へ

受付時間|9:00~18:00(土・日・祝除く)

※お電話にてお問い合わせの際はオフィス一覧からお近くのオフィスにご連絡ください

※全国対応

ホームページ無料診断 毎月10社限定

ホームページ制作のプロがユーザビリティ・SEO・競合などを多角的に分析し、
具体的な改善案をご提案します。

無料診断する