【GoogleAnalytics4入門】セッション・ユーザー・エンゲージメント・イベントとは?アクセス解析で挫折しないための4つの基本指標
目次
どうも、ウェブ企画パートナーズの竹内です。
今回は、Googleアナリティクス4(以下、GA4)で新しく登場した指標である「ユーザー」「セッション」「イベント」「エンゲージメント」について、ざっくり解説していきたいと思います。
「ユーザー」自体は、以前のユニバーサルアナリティクス(GA4の1個前のバージョン)からあった概念ですが、「イベント」とか「エンゲージメント」といった新指標は、細かい定義や意味合いが以前とは結構変わっています。
「そもそもこの言葉って何?」という初心者の方に向けて、できるだけわかりやすく、人間味ある語り口でお伝えしていきます。ぜひ肩の力を抜いて読んでみてください。
GA4の4つの基本指標:ユーザー・セッション・イベント・エンゲージメント
まずは言葉の意味を、それぞれざっくり説明します。もう最初に結論めいたことを書いちゃいますが、イメージはこんな感じです。
- ユーザー:見に来た人の数
- セッション:ページを見た数(※かなりざっくり!)
- イベント:特定の行動をした数
- エンゲージメント:滞在時間
これ、かなりざっくり定義してしまっていますし、「誤解を恐れずに言うとこんな感じ」というレベルです。でも、この程度の理解でも「だいたいこんなものか」と思っていただければ、初心者の方には十分かと思います。
ユーザー(User)とは?
ユーザーとは、「Webサイトやアプリに見に来た人の数」です。
GA4はアプリも計測できるので、「見に来た人」と言ってもWebサイトだけじゃなく、アプリユーザーも含められます。ただ、ここではWebサイトを前提にお話しします。多くの方はWebサイトの指標として使うことが多いですよね。
ユーザーには「新規ユーザー」や「リピートユーザー(再訪問ユーザー)」など、いろいろと区別することもできます。
セッション(Session)とは?
セッションは、ざっくり「ページを見た数」のイメージで捉えてください。
本来、以前のユニバーサルアナリティクスでは「ページビュー」という言葉が使われていましたが、GA4では「セッション」という捉え方になりました。これにより、より細かい分析が可能になっているのですが、初心者向けには「ページを閲覧した回数っぽいもの」とまず認識しておけばOKです。
「セッション」という言葉、音楽のジャム・セッションとかを思い浮かべるかもしれませんね。語源としても、「何かを始めるひと続きの時間」的なニュアンスがあります。GA4では、一連のページ閲覧行動をセッションとしてカウントしています。
イベント(Event)とは?
イベントは「特定の行動をした数」です。
GA4では、「ページを見た」以外にもいろいろな行動をイベントとして計測します。例えば、スクロールした、クリックした、フォームを送信した、動画を再生した、などなど。このイベントは、あらかじめGA4が自動で定義してくれているものもありますし、自分たちでオリジナルのイベントを設定することもできます。
自分で設定したイベントで多いのは「お問い合わせフォーム送信」など。つまり、ユーザーがサイト内で起こす「特定の行動」をカウントするのがイベントです。
エンゲージメント(Engagement)とは?
エンゲージメントは「滞在時間」とざっくり覚えちゃってください。
厳密にはもう少し複雑な定義があるのですが、初心者向けには「どれくらいの時間ページに留まってくれたか」を表す指標だと思えばOKです。
英語で「engagement」には「約束」や「契約」、あるいはビジネス用語では「愛社精神」とか「組織に対する想い」的な意味もありますが、GA4では「サイト上でどれくらいユーザーが関心を持ち続けてくれたか」という意味で使われています。
ユーザー・セッション・イベント・エンゲージメントを実際のユーザー行動でイメージする
ここからは、あるユーザーがサイトに訪れた一連の行動を例に、4つの指標がどうカウントされるかを具体的にイメージしてみましょう。
例:1人のユーザーの行動パターン
- ある人(1ユーザー)が、あなたのWebサイト(自社サイト)に来てくれました。
- 1ユーザーです。
-
最初はトップページを1分ほど見て、
「ふむふむ、こんなサイトか」と確認した後、他社サイトも比較したいと思って、
別タブで他社サイトを1分くらい見に行きました。 -
「やっぱり最初に見たサイト良かったな」と思って、再び自社のページに戻り、今度は2分くらいトップページを眺めて、
「良さそうだな、問い合わせしてみようかな」と考え、お問い合わせページにも移動。
トップとお問い合わせページ合わせて合計2ページを見て、フォームを送信しました。 -
送信したので、あとは返信を待つのみ。
ユーザーはここで離脱。
この流れを指標に落とし込むと:
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ユーザー数:当然、1人の行動なので1ユーザーです。
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セッション数:
「あれ?ページを2回見たから2セッションじゃないの?」と思うかもしれませんが、
実際にはこのケースでは2セッションとカウントされます。
理由はGA4のセッション計測ルールによります。
トップページを見て、離脱して、また戻ってきてトップページとお問い合わせページを見た、
この一連が2セッションになるイメージです。
もし30分以上放置していた場合、セッションが一旦切れて次回来訪は新たなセッションとしてカウントされるので、その場合は3セッションになることもあります。
(ここ、実務的にはGA4で定義が少し変わっていますが、ざっくりでOKです) -
イベント数:
ページを見たりスクロールしたり、フォームを送信したりと、
行動のたびにイベントがピコーンと計測されています。
ユーザーがページに来た時点で「セッションスタート」というイベントがカウントされ、
スクロールやクリックでさらにイベントが追加。
最後にお問い合わせフォーム送信のイベントもカウントされて、
結果として何度かイベントが起こっています。 -
エンゲージメント(滞在時間):
自社サイトで1分見て、他社サイトで1分離脱、また自社で2分、合計3分間は自社サイトにエンゲージメントがあったとします。
他社サイトにいた1分はエンゲージメントにカウントされません。
よってエンゲージメントは約3分ということになります。
結果として、このユーザーは
「1ユーザーが約3分滞在して、2ページ見て、いくつものイベントを起こした」といった解釈が可能になります。
もちろん、厳密な時間の計測や、他のタブで何をしていたかなど、Googleアナリティクスはそこまではわかりません。でも、大体の行動傾向を捉えるのがポイントです。
これらの指標をどう活用してサイト改善につなげるか
それぞれの指標の使い道についても、ざっくり紹介します。
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ユーザー数:
「もっと多くの人にサイトを知ってほしい」「問い合わせ数よりまずは訪問数を増やしたい」という時には、ユーザー数に注目します。
例えば特定のページのユーザー数が減っていたら、「もしかして検索順位が落ちた?」と考え、そのページを改善して検索上位を目指す、などの施策を取れます。 -
セッション数:
「ユーザーは来てくれているけど、トップページだけ見て他社に行っちゃってる」
という場合は、セッション数を増やすことで深い興味を引き出せるようにします。
サイト内を回遊してもらい、複数ページを見て「このサービス、良さそうだな」と思ってもらうために、トップページの誘導改善や、魅力的な内部リンク設計を考えます。 -
イベント数:
ユーザーも十分、セッション(ページ閲覧)もある程度確保できている。
それでもお問い合わせ(イベント)が増えない場合は、フォームが長すぎるとか、興味はあるけど最後の一押しが足りないなどの改善点を探ります。
自分で定めたイベント(フォーム送信など)を中心に、どの段階で離脱が起きているかをチェックしましょう。 -
エンゲージメント(滞在時間):
ユーザーは来ているけど、滞在時間が短ければ、サイトに興味を引けていない可能性があります。
また、LP(ランディングページ)のように1ページで完結させるサイトの場合、ページ数では測れないので、エンゲージメントやスクロールイベントを使って「ちゃんと下まで読んでくれたかな?」をチェックします。
まとめ
以上が、GA4でよく使う基本的な指標「ユーザー・セッション・イベント・エンゲージメント」の解説でした。
アナリティクスの管理画面を見ると、他にもたくさん指標がありますが、まずはこの4つをざっくり理解しておくと、他の指標を見たときもスムーズです。
Webコンサルやアナリストと会話するときに、「ユーザー数が落ちたね」「エンゲージメント上げたいね」と言われても、「ああ、だいたいこういう意味ね」と掴めるようになります。
弊社でもお客様のWebサイトを分析する際は、これらの指標をもとに「ここを直したらユーザー数増えそうですね」「ここを改善したらフォーム送信(イベント)伸びそうですよ」といったアドバイスをしています。
社内でこの用語を知らないと、話が噛み合わなかったり、説明を一からし直す必要があります。
もし新入社員さんや、Webサイト改善の打ち合わせで遠慮して質問できない雰囲気があったとしても、こうした基礎知識があれば自信をもって会話に入っていけるはずです。
ぜひこの理解をきっかけに、GA4を見るハードルを下げて、積極的にサイト改善に役立ててみてください!
以上、「ユーザー・セッション・イベント・エンゲージメント」について、初心者向けのざっくり解説でした。