顧客が断れなくなる心理学「コミットメントと一貫性の原理」をWebサイトに応用する3つの方法

心理学 最終更新日:2025/08/23

どうも、ウェブ企画パートナーズの竹内です。
今回は、Webマーケティングに非常に役立つ心理学のテクニック、「コミットメントと一貫性の原理」についてご紹介したいと思います。

きっかけはロバート・B・チャルディーニの名著

この「コミットメントと一貫性の原理」というのは、心理学者のロバート・B・チャルディーニが書いた『影響力の武器』という非常に有名な本の中で紹介されているものなんです。
もしかしたら、営業の基本としてご存知の方も多いかもしれませんね。
実は、営業テクニックとして知られる「フットインザドア」や「ローボール・テクニック」といった手法も、このコミットメントと一貫性の原理が働くことで効果を発揮しているんですよ。

プロ仕様!内部SEOセルフチェックツール

あなたのウェブサイトが検索エンジンで上位表示されるために重要な内部SEO対策。このセルフチェックツールを使えば、簡単な質問に答えるだけで、サイトの改善点が見つかります。

あなたのホームページのSEOは健康度はどれくらい? 今すぐチェックして、アクセスアップを目指しましょう!

内部SEO診断

Webマーケティングにどう活かすか

ただ、このブログでお伝えしたいのは、心理学の理論そのものでも、営業の基本テクニックでもありません。
今これを読んでくださっているあなたのWebサイトで、この原理をどう応用していくのか、という点に絞ってお話しできればと思います。

「コミットメントと一貫性の原理」とは何か?

そもそもこの原理をあまり知らないよ、という方のために、まずはどういったものなのか簡単にご紹介しますね。
要素としては、大きく2つあるんです。

人は「一貫性のある人」を信頼する

一つ目は、社会的な評価です。
どういうことかと言うと、人は一貫性のある発言や行動をする人を信頼しやすい傾向にあるんですね。
例えば、昨日と言っていることが全然違う人や、「宿題をやる」と言ったのにやらないお子さんに対して、ちょっと不信感を抱いたりしませんか?ありますよね?
これは、一貫性のある行動をとることが、社会的に「信頼できる人」という評価に繋がるからです。この習性が、まず一つの側面です。

決断の疲れを避ける「思考のショートカット」

そしてもう一つが、思考のショートカットという側面です。
人は朝起きて服を選ぶことから始まって、日々無数の判断を迫られています。何かを「決定する」という行為は、実はものすごく疲れることらしいんですね。
そこで、あらかじめ自分の中にルールを設けておくことで、判断がすごく楽になるんです。
例えば、「月曜日の朝はパン、火曜日の朝はご飯」みたいに決めておくと、朝起きて「何を食べようかな…コーンフレークがいいけど、ないから買いに行かなきゃ…」なんて考える手間が省けて、楽じゃないですか。
このように、人は無意識に「〇〇だから〇〇する」というルールを作り、思考をショートカットして生きやすくしようとします。この人の習性を利用するのが、この原理のもう一つの側面なんです。

コミットメントを構成する3つの要素

このコミットメントには、さらに3つの種類があると言われています。これも全部受け売りなんですけどね。

みんなの前で宣言する「公的なコミットメント」

一つ目が、公的なコミットメントです。
これは分かりやすい例で言うと、「明日からダイエットする!」とみんなの前で宣言するようなことです。多くの人の前で宣言することで、やらざるを得ない状況を作り出し、一貫性を保とうとする力が働きます。

「自分の意思で選んだ」という感覚

次に、自発的なコミットメントです。
これは、何かを決定するときに「これは誰かに言われたからじゃなく、自分の意思で選んだんだ」と強く思うことができると、その後の行動にも一貫性を持たせたくなる、というものです。

かけた労力が判断を鈍らせることも

そして最後が、労力に対するコミットメントです。
これは投資の世界でよく聞く話かもしれません。「ここまで株を買い増して大赤字だけど、かけたお金と労力を考えると、今さら売るに売れない…」といった状況です。
かけた労力やお金、時間といったコストに対して一貫性を働かせたくなってしまい、結果として合理的な判断ができなくなる。これは投資の典型的な負けパターンですが、それだけ強力なコミットメントが働くということです。

Webマーケティングでの具体的な活用方法

さて、前置きが長くなりましたが、いよいよこの原理をあなたのWebサイトでどう活かしていくか、具体的な方法を3つの視点からお伝えしていきたいと思います。

活用法1:リード(見込み客)を獲得する

まずは新しい見込み客を開拓したい、という場面での活用法です。

お問い合わせフォームの工夫

例えば、お問い合わせフォームの入力項目が100個もあったら、それを見た瞬間に「うわ、面倒くさい…」ってなりますよね。
そこで、フォームを分割して見せるという工夫が有効です。
最初に5個くらいの項目に答えたら「次へ」ボタンがあって、それを押したらまた次の5個が出てくる、みたいな形式のフォームを経験したことはありませんか?
個人的な経験で言うと、保険の契約サイトなどは入力項目が多いので、こういった分割フォームがよく使われていますね。
有名なMBTI診断も、確か94個くらい質問があったと思いますが、あれを一気に見せられると嫌になってしまうので、うまく分割して見せています。一度入力を始めてしまった、という小さなコミットメントが、最後まで入力を続けさせる力になるのです。

メルマガやLINE登録で最初のYESをもらう

次に、メールマガジンや最近だとLINE公式アカウントへの登録も有効です。
いきなり高額な商品を購入してもらうのは非常に難しいですが、まずは「メルマガに登録する」「LINEで友だちになる」という、非常にハードルの低いYESをもらうんです。
これによって、お客様は「この会社やサービスから情報を受け取る」という小さなコミットメントをしたことになり、一貫性を保とうとする心理が働きます。将来的に何かを購入してもらう際に、すでに片足をドアに踏み入れている状態を作ることができるわけです。

診断コンテンツやクイズで労力をかけさせる

最後に、診断系コンテンツです。
先ほど出てきたMBTIがまさにそうですが、たくさんの質問に答えて労力をかけさせると、「ここまでやったんだから、最後まで結果が知りたい!」という気持ちになりますよね。そのタイミングで「結果はメールでお送りします」と表示されたらどうでしょう。「うーん…まあ入力するか」となりやすいはずです。
IQクイズなども同じで、散々クイズに答えさせた最後に「あなたのIQは〇〇!詳細はメールで!」と出てくると、つい入力してしまうものです。
BtoBのサイトであれば、「あなたの会社にこの製品が合うか診断」として、従業員数などを入力してもらい、最後に詳しい結果をお送りするためのお問い合わせフォームに誘導する、といった使い方が考えられますね。

活用法2:CVR(コンバージョンレート)を向上させる

次にお問い合わせ率や購入率、つまりCVRを上げるための活用法です。

カートやお気に入り機能の重要性

ECサイトで何かを買おうか迷ったとき、とりあえず「カートに入れる」ボタンや「お気に入り登録」をしませんか?
「もうカートに入れちゃったし、まあ買うか」とか、「お気に入りに入れて何度も見てるし、そろそろ買おうかな」といった気持ちになった経験がある方も多いと思います。
これもフットインザドアの一種で、カートに入れるという小さな一歩を踏み出してしまったことで、最終的な購入というゴールに向かって一貫性を保ちたくなるのです。いかに手軽にカートやお気に入りに入れてもらうか、という設計が重要になります。

無料トライアルの威力

多くの企業が導入しているトライアルも、この原理を巧みに利用しています。
Apple Musicなどが「最初の3ヶ月無料」といったキャンペーンをよくやっていますよね。あれは、まず簡単な「無料の契約」をさせることでコミットメントを引き出し、その後の有料契約へと繋げているのです。

「仮押さえ」でハードルを下げる

予約というのも有効な手段です。
いきなり本予約をしてもらうのが難しければ、「仮押さえできますよ」というように、さらにハードルを下げてあげるのも一つの手です。
「仮押さえしちゃったし、企業側はもう契約してくれると思ってるだろうな…」といった心理が働くと、そのまま本契約に至りやすくなります。
Webサイトで使える似たようなテクニックとしては、資料請求がこれに近いですね。お問い合わせという高いハードルの前に、「まずは資料請求だけ」というワンクッションを置くことで、最終的なコンバージョン向上に繋がっていきます。

活用法3:顧客をファンにする

最後に、一度購入してくれたお客様を熱烈なファンにしていくための活用法です。

レビュー投稿でファン意識を醸成する

実際に商品を購入されたお客様に、レビューを書いてもらうというのは非常に効果的です。
レビューを書くという行為は、その商品を評価し、ある意味で「応援している」という意思表示になりますよね。すると、「私、この会社のファンなんだな」と無意識に思うようになり、ファンであり続けようという一貫性が働きます。「そういえば私ここのファンだし、新商品が出たから買ってみようかな」といった思考に繋がりやすくなるのです。

SNSのシェアキャンペーン

「この投稿をシェアしてくれた方の中から抽選でプレゼント!」といったSNSのキャンペーンもよく見かけますよね。
プレゼントが欲しくてなんとなくシェアしただけだったとしても、そのシェアという行為によって、その人や企業のファンであるかのような立場になります。するとだんだん「結構この人のこと好きかもな」と思えてきたりするのです。

会員ランク制度で囲い込む

会員ランク制度も、顧客の囲い込みに非常に有効です。
最近の事例で言うと、GOタクシーアプリに急に会員ランクが登場しましたよね。それまで頻繁に利用していたヘビーユーザーは、いきなり最上位ランクに認定されます。
そうなると、「せっかく最上位ランクなんだから、これを維持したい。他のタクシーアプリを使うとランクが落ちちゃうかもしれないから、これからもGOを使い続けよう」という心理が働きます。これも、ランクを維持したいという一貫性の法則が働いている好例です。

まとめ:あなたのサイトでもできることはあるはず

ここまで、コミットメントと一貫性の原理の具体的な施策についてお話ししてきましたが、「あ、これ見たことあるな」と思ったものも多かったのではないでしょうか。
ただ、いざ自社のWebサイトに置き換えて考えてみると、「もうちょっと工夫できたな」と感じる部分があるかもしれません。
「フォームの入力項目なんて、深く考えたことなかったな…」とか、「メルマガも書くのが面倒で、実はやっていなかったな…」とか、「診断コンテンツってお金がかかるんじゃないの?」と思っていたけれど、最近はAIで簡単に作れるようになっているので制作会社に聞いてみようかな、とか。
このブログを読んで、あなたの会社やWebサイトでも「できそうなことあるな」と思っていただけたら、ぜひ実践してみてください。
ちなみに弊社も、こういった心理学を活用したWebサイト改善のお手伝いを得意としておりますので、もし気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問い合わせいただけますと嬉しいです。

プロ仕様!内部SEOセルフチェックツール

あなたのウェブサイトが検索エンジンで上位表示されるために重要な内部SEO対策。このセルフチェックツールを使えば、簡単な質問に答えるだけで、サイトの改善点が見つかります。

あなたのホームページのSEOは健康度はどれくらい? 今すぐチェックして、アクセスアップを目指しましょう!

内部SEO診断

CONTACT

Webサイト制作のご相談やご質問、ご不明点などございましたらこちらよりお問い合わせください。
「ホームページ制作について」とお伝えください。担当者におつなぎいたします。

オフィス一覧へ

受付時間|9:00~18:00(土・日・祝除く)

※お電話にてお問い合わせの際はオフィス一覧からお近くのオフィスにご連絡ください

※全国対応

ホームページ無料診断 毎月10社限定

ホームページ制作のプロがユーザビリティ・SEO・競合などを多角的に分析し、
具体的な改善案をご提案します。

無料診断する