【GA4】知らない人も多い「ユーザー獲得コホート」とは何かを解説してみた
目次
どうも、ウェブ企画パートナーズの竹内です。
今回は「Google Analytics 4のユーザー獲得コホート」について、初心者向けにざっくり理解できるように解説していきたいと思います。
「ユーザー獲得コホート」って何?
Google Analytics 4(GA4)の管理画面を見ていると、「ユーザー獲得コホート」という言葉をちらっと目にしたことはありませんか? でもなんだかよく分からず、つい素通りしてしまっている方も多いんじゃないかと思います。私自身も最初はよく分かっていなかったので、その気持ち、よく分かります。
まずは、そもそも「コホート」ってどういう意味なのか、そこから話を始めてみましょう。
コホートとは?
- 特定の条件やタイミング、行動、属性が同じユーザーのグループのことを指します。
- たとえば「1月1日にアクセスした人のグループ」は「1月1日アクセスのコホート」と呼べます。
いわゆる「コホート分析」では、同じ条件の集団をまとめて追いかけることで、「いつ獲得したユーザーが、その後どのくらいサイトに来続けているのか」などを分析する手法です。
コホート分析のよくある使い方
コホート分析の分かりやすい例として、新規顧客を獲得するためにキャンペーンを打った場合をイメージしてみてください。
1月に「全品50%オフのキャンペーン」を実施したとします。すると1月は当然新規顧客が増えますよね。2月に何もキャンペーンを行わなければ、1月ほど新規顧客は増えていないはずです。ここで、1月に来てくれたユーザー(1月のコホート)が2月や3月にリピートしてくれているかどうかを追いかけるわけです。
- もし「1月のコホート」が2月まではリピートしていたのに、3月からパタッと来なくなったら、50%オフキャンペーンは1〜2か月程度しか効果が続かない、ということが分かります。
- じゃあ次は、会員登録していただくと毎月1000円もらえるキャンペーンをやってみよう、となったときに、今度はそのキャンペーンで獲得したユーザーがどのくらい継続してくれるかを同じように見ていくわけです。
- もし今度は3月以降も引き続き来てくれるなら、「あ、会員登録キャンペーンのほうが長く継続してくれる人が多いね」という結論が出るかもしれません。
このように特定の条件で獲得したユーザーの行動を追いかける分析をコホート分析と呼ぶんですね。
では「ユーザー獲得コホート」はどこにある?
実際にGoogle Analytics 4の管理画面で確認してみましょう。
サイドバーの「ライフサイクル」→「集客」→「ユーザー獲得コホート」とたどると表示されます。たしかにメニュー名を見たことはあるけど、使ったことがない方も多いかもしれませんね。
弊社でもあまり利用していないのですが、それは後ほど理由が明らかになるので、ちょっと読み進めていただければと思います。
ユーザー獲得コホートと「ユーザー獲得」メニューの違い
GA4の「集客」には、「ユーザー獲得」というメニューもあります。
こちらを見てみると、新規ユーザー数が最初から見られる仕組みになっていて、たとえば「オーガニックサーチ」「ダイレクト」「ペイドサーチ」「リファラル」など、どのチャネルからどのくらい新規ユーザーを獲得したのかが分かります。
一方、今回メインで解説している「ユーザー獲得コホート」でも同じように、たとえばオーガニックサーチで何人の新規ユーザーを獲得しているのか、といった情報を見ることができます。
つまりどのチャネルから新規ユーザーを獲得できているかを見るだけなら、「ユーザー獲得」メニューだけでも充分なんです。
そのため、弊社では「ユーザー獲得コホート」をあまり使ってこなかったというのが正直なところです。
じゃあユーザー獲得コホートは誰がどう使うの?
ではいったい、「ユーザー獲得コホート」は具体的にどんな人が使うと役立つのでしょうか?
出てくる指標が違う
- 「ユーザー獲得」のほうは、総ユーザー数やリピーター、アクティブユーザー、エンゲージメントなどの指標がメインです。
- 対して「ユーザー獲得コホート」では、収益やトランザクション数(購入数)など、ECサイトが気になる指標を追いかけられるのが特徴です。
- 特に「120日間の平均値」などがぱっと見で分かるようになっています。
たとえば、
- オーガニックサーチ経由で来た新規ユーザーは、1人あたりの購入額が平均10万円
- ペイドサーチ(広告)経由のユーザーは、1人あたりの購入額が平均1000円
みたいなことが、何日か追いかけたうえで確認できるのがユーザー獲得コホートの強みです。
ECサイトにはめちゃくちゃ使える!
つまりECサイトを運営している場合は、かなり使い勝手が良い分析メニューということです。
新規ユーザーを「どのチャネルから獲得したか」だけでなく、実際に何人がどのくらい買ってくれているかが分かるため、「投資対効果はどうなんだろう?」という疑問を解消するのに役立ちます。
一方、弊社のようにEC機能がついていないサイトの場合は、あまりメリットを感じないかもしれません。弊社もまさにそれで、「新規ユーザーがどこから来ているか」だけであれば、「ユーザー獲得」メニューで十分に分かってしまうので、「ユーザー獲得コホート」をほとんど使っていないわけですね。
ただし、EC機能があるサイトや、コンバージョン(成果地点)がしっかり設定されているサイトにとっては、非常に強力なツールだと思います。その分、設定やデータの蓄積はきちんとしておく必要がありますが、それに見合うだけの分析結果が得られるでしょう。
まだ活用していない人はぜひ試してみて
「ユーザー獲得コホート」はGA4の標準機能なので、すでにGA4を導入している方なら誰でも使うことができます。ECサイトのオーナーや、顧客の長期的なライフタイムバリュー(LTV)を追いたい方には特におすすめです。
- アクセスがそこそこ多いサイトの場合は、より精度の高い分析が可能
- 逆にまだアクセス数が少ない場合は、データが集まるまで時間がかかるかもしれません
まとめ:ユーザー獲得コホートを使いこなそう
- コホート分析:同じ条件で集めたユーザーのグループを追いかける分析手法
- ユーザー獲得コホート:GA4で収益やトランザクションを絡めて、新規ユーザーが本当に長期的に成果を生み出しているかを把握できる機能
- ECサイトなどには特におすすめ:売上や購入数でどのチャネルが一番優秀な獲得元なのかを見極めたい場合に便利
弊社も普段、アクセス解析をもとに「今後こういった施策を打つと良さそうですよ」などのコンサルティングサービスを行っています。もしご興味があれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。
それでは、今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました!