SEOはコンテンツだけじゃない。海外で常識の「ツール作成」で被リンクを獲得する方法
今回は、皆さんの会社でもぜひツールを作って、ホームページで公開してみてはどうでしょうか、というお話になります。
いきなりツールを作ろうと言われても、何のことかなと思う方もいるかもしれませんので、少しその背景から、なぜ作ると良いのかというところをご説明していきたいなと思います。
目次
結論から言うと、ツール作成はSEOのため
なぜツールを作ると良いのか? 結論から言うとSEOの為です。
ご存知の通り、SEOには色々な要素があります。ページの検索キーワードと内容がマッチしているかどうか、これは当然一番重要です。その他にも、titleタグやmetaタグの最適化、内部SEOなど、様々なテクニックが語られています。
SEOで最も重要な「被リンク」とは
テクニックも沢山あるんですけど、その中でも最も重要なのが被リンクです。
聞き慣れない方には分かりづらいかもしれませんが、「被リンク」とは、他のWebサイトから自分のサイトに向けてリンクを貼ってもらうことを指します。
Webサイトがあったとして、他のWebサイトからリンクを貼ってもらい、さらにまた別のサイトからもリンクを貼ってもらう。このように、色々なサイトから評価をもらっているということは、「このサイトはきっと優秀なサイトに違いない」というのがGoogleの基本的な考え方になります。ですので、未だに被リンクはかなり重要な要素の一つになってます。
大手企業と中小企業での被リンク獲得の差
考えてみれば当たり前のことかもしれません。例えば、マクドナルドやスターバックスのような誰もが知っている大手のサイトであれば、「新作のフラペチーノ飲んだよ」とか「新しいバーガー食べたよ」といった内容でブログに書く方がたくさんいて、そこからメニューページへのリンクを自然に貼ってくれそうですよね。
対して、私たちのようなホームページ制作の会社が、そう簡単にリンクを付けてもらえるかというと、フラペチーノも出していませんので、なかなか難しいのが現実です。
被リンク獲得の切り札としての「ツール」
そこで、その被リンクを受けるための一つの手段として、この「ツール」というのが有効になってくるということです。
どんなツールを作れば効果的なのか?
では、一体どんなツールを作ったら良いのでしょうか。これには非常に重要なポイントがあります。
ツールは何を作ってもいいというわけではなくて、自社のサービスとマッチしたようなツールが作れるとベストだと思います。
私たちのサイトでのツール作成事例
例えば、私たちの会社のホームページでも、サイトの下の方にツール一覧というコーナーを設けて、いくつかのツールを公開しています。
その中の一つに、マークダウン記法で書いた文章を入力すると、自動でHTMLコードに変換して出力してくれる「マークダウンツール」があります。他には、WebサイトのURLを貼り付けると、そのサイトのIPアドレスが分かる「IPアドレスツール」など、本当にたくさんのツールを公開しています。
ツールがリンクを獲得する具体的な流れ
こういったツールを公開しておくことで、どのような効果が期待できるか。例えば、Yahoo!知恵袋のようなQ&Aサイトで、「ホームページのIPアドレスを知りたいんだけど、どうやったらいいですか?」という質問があったとします。
その時、回答者が「こうやって調べればいいですよ。ちなみに、こういう便利なツールもありますよ」という感じで、私たちのツールページへのリンクを貼り付けてくれる可能性があるわけです。
もちろん、この場合リンクが付くのは個別のツールページなので、サイト本体の評価にどれだけ直接影響があるかというと、少し怪しいところもあります。しかし、サイト内のページにたくさんリンクが付いていると、サイト全体のドメインの評価も上がっていく傾向が多少はあります。
また、リンクを貼ってくれる際に「提供元はこちらです」という形で、サイト本体にもリンクを付けてもらえる可能性も生まれます。
関連性のないツールは逆効果になることも
有効なツールを作ることができれば非常に良い施策になるのですが、注意点があります。
これが例えば、私たちがホームページ制作とは全く関係のない「打ち合わせの日程簡単作成ツール」のような、両者が都合の良い時間をマッチングさせるためのツールを作ったとします。
それ自体は便利なツールかもしれませんが、ホームページ制作という事業とはあまり関係がありません。そうなると、せっかく被リンクを1つもらっても、Googleから「有効じゃないリンク」だと判断されてしまうことがあるのです。
Googleはリンクの「質」を見ている
Googleは、同じ1本のリンクでも、その「質」を見ています。 例えば、自社と同じジャンルのサイトからのリンクは高く評価される傾向にあります。
ホームページのテーマ内容と関連性の高いサイトからリンクを貼ってもらうことで、Googleは「このサイトは、その内容を専門とするホームページなんだな」とより強く認識してくれるようになります。
先ほどの「打ち合わせの日程ツール」の例で言うと、リンクが貼られても「ここは、打ち合わせの日程を決めるための会社のサイトなのかな?」とGoogleが誤解してしまう可能性があるのです。
私たちが「マークダウンをHTMLに変えるツール」を提供しているのは、HTMLがホームページの言語であるためです。また、「IPアドレスを調べるツール」も、ホームページのURLを打ち込んでいただくという文脈があるため、事業との関連性が保たれています。
このように、自社に関係のあるツールを考えていただくというのが、何よりも大事になってきます。
【業種別】ツール作成のアイデア
では、具体的にどのようなツールが考えられるでしょうか。いくつか例を挙げてみます。
美容院の場合
例えば美容院とかだったら、「あなたのベストな髪型診断ツール」なんて面白いかもしれませんね。いくつかの質問に答えるだけで、似合う髪型を提案してくれるようなツールです。
BtoBの印刷会社の場合
特にBtoB系のビジネスはツールとの相性が良く、リンクをもらいやすい傾向があります。
例えば、企業向けに印刷用紙を販売する会社でしたら、「印刷物のシミュレーションツール」などが考えられます。また、A4サイズをpixelやmm、inchといった様々な単位に変換できる「長さの単位変換ツール」なども便利そうです。「10cm」と入力すると「〇〇pixel」と変換されるような、お客様が普段使ったら便利そうで、かつ自社の業種にマッチしていそうなツールが作れるとベストです。
どんなツールにするかは、あの手この手で考えてもらいたいのですが、そういったツールを作ってもらえると、SEOに非常に有効という事です。
ツール作成のハードルは劇的に下がっている
ここまでお話しして、「ツール作成なんて難しそう…」と感じた方もいるかもしれません。
しかし、最近は状況が大きく変わりました。ツールに対する開発の難易度が、今、大幅に下がっているんです。
AIの活用で誰でもツールが作れる時代に
最近はChatGPTとか、個人的にはClaudeで作るのが好きですが、そういったAIを活用することで、驚くほど簡単にツールを作れてしまうんですよね。
私たちのサイトで公開しているツールの中にも、AIでパパパッと作ったようなものもあります。もちろん、専門のエンジニアさんが作ってくれたツールもありますが、手軽に作れるものが増えてきているのです。
これまでは、ツール作成はコストもかかるため、なかなかお伝えしづらい施策の一つでした。ですが、難易度がギュッと下がってきたこのタイミングで、皆さんもツールの作成を考えてみると、いいんじゃないかなと思います。
まとめ
今回は「ツールを作ろう」というテーマでお話ししました。
SEOにおいては、やはり未だに被リンクが最も重要なレベルで存在しています。 ついページの質さえ高ければ上位に来るんじゃないかと思いがちですが、ポッと作っただけのサイトがいきなり上位表示されるのは、なかなか考えづらいですよね。ある程度、世の中から評価されているサイトの方が上位に来やすい傾向があるのは、なんとなく皆さんにも分かるところかなと思います。
そうした時に、特にBtoBビジネスだったりすると、中々リンクを付けてもらいにくいという悩みがあります。
そこで、お役立ちツールなどを作って、誰かに紹介してもらったり、リンクを付けてもらったりする。これが、ツールを作るというSEO施策の一つです。
この手法は、日本ではあまりよく言われている手法ではないかもしれませんが、海外ではポピュラーなSEO施策の一つとして挙げられています。
そして何より、AIの登場によってツール作成の難易度が大きく下がりました。今こそ、この施策を試してみる絶好の機会ではないでしょうか。