ホームページで「社会的証明の原理」をキチンと活用してますか?CVRを向上させる基本テクニック

心理学 最終更新日:2025/06/30

こんにちは、ウェブ企画パートナーズの竹内です。

弊社では普段、お客さまにホームページのデザインや制作をご提供していますが、デザインの善し悪しというのは、人の好みやセンスによって結構変わってきますよね。ただ、少なくともこれからお話しする心理効果のようなものは、裏切りません。そこで、コンテンツやデザインの見せ方で目的を達成するために、心理効果も取り入れていきましょう、とお伝えする場合があるんです。

今回は、数ある心理効果の中でも特にポピュラーで、汎用的に使える「社会的証明の原理」について解説したいと思います。これをご存じない方は、ぜひこの機会に学習して、自社のコンテンツやデザインに取り入れていただければと思います。

社会的証明の原理とは?

まず、社会的証明の原理がどういうものか、というところからお話しします。

これはもともと、1984年に心理学とマーケティングの専門家であるロバート・B・チャルディーニさんという方が書いた『影響力の武器』という本で提唱されたものです。

ざっくりどういう効果かというと、人は大衆、つまり「みんながやっていること」や「みんなが選んでいるもの」を「良いものだ」と思ってしまう、という効果があるということです。

私たちの日常に溢れる「社会的証明」

おそらく皆さんも、この効果を日常の中で体験していることが多いと思います。

一番わかりやすい例で言うと、小学生くらいの頃を思い出してみてください。周りのみんなが持っているものや、やっていることを「いいな」って思った経験はありませんか?例えば、クラスで何か問題が出された時、AとBという回答があって、クラスメイトの9割が「こっちだと思います」とAに手を挙げているとします。その状況で、残りの1割であるBに手を挙げるのは、ちょっと勇気が要りませんか?特に日本人にはそういう傾向があるのかもしれませんが、人間は「みんなの方が良い」となりがちなんですよね。

他にも、何か買い物をするときに、その商品の口コミやレビューをいろいろ調べたりしますよね。あるいは、車で街中を走っているときに、ものすごい行列ができている飲食店を見つけて、「あれ?あの店は何なんだろう。あんなに行列ができてるってことは、相当美味しいってことかな」なんて思ってしまうのも、その一例です。おそらく、その判断はかなりの確率で正しいと思うのですが、そういった現象も社会的証明の原理の一つになります。

特に自分が判断に迷った時、どっちも同じくらいいいなと感じた時に、「じゃあ、みんなが選んでいるんなら、こっちにしておくか」という最後のひと押しにも有効だったりします。ですから、もし可能であれば、この社会的証明の原理は取り入れるに越したことはない、というものになります。

Webサイトにおける社会的証明の活用方法

では次に、この社会的証明の原理をWebサイトでどのように活用していくのか、具体的な方法を見ていきましょう。

口コミ・ユーザーレビュー

まずは先ほども例に挙げた通り、「口コミ」です。これは多くの方が利用していますよね。「具体的な口コミとしてはこういうものがありますよ」と紹介する口コミコンテンツは、一つの有効な方法になります。単純な文章の口コミだけではなく、「評価4.5」のように星で表現することもあるでしょう。平たく言うと、ユーザーレビューの評価やその実際の内容がまず使えるところです。

導入事例(BtoB向け)

BtoC向けサービスではユーザーレビューが中心ですが、BtoBの方面では、口コミは「導入事例」という形になります。多くの企業でそういったページがあると思いますが、企業版の口コミが、ほぼ導入事例と考えてよいでしょう。実際に導入してみてどうだったか、といったお客様の声は、多くの企業が使っているという証明にもなります。こういった導入事例も、口コミと並んで使える効果的な手法です。

メディア掲載実績

他にも少し似ていますが、「メディア掲載」も有効です。「あの雑誌でも取り上げられました」といったフレーズを見たことがあると思いますが、みんなが読むようなメディアで取り上げられる内容であれば、きっと良いものに違いない、といった効果を狙ったものです。

インフルエンサー・専門家による推薦

現代的な手法としては、インフルエンサーや専門家の推薦も挙げられます。例えばペットフードの広告で「獣医師も認める」と書かれていたり、歯ブラシのパッケージで「歯科医師も絶賛」と書かれているのを見たことがあるなと、今思い出しました。そういった専門家が推薦している、という切り口ですね。
また、インフルエンサーや著名人が推薦している、使っている、というのも強力です。こうした方々は、一人で大衆並みのパワーを持っていることがあります。大衆に支持されているインフルエンサーが言うことだから間違いない、というのも、やはり社会的な要素を含んだ効果と言えるでしょう。

ランキングや販売数

「ランキング」も効果的です。これはメディア掲載と少し似ているかもしれません。「〇〇のレビューサイトのランキングで1位になりました」といった表現は、特に化粧品などで「アットコスメで1位」のように、よく見かけると思います。
また、利用者数や販売数そのものを見せるのも良いでしょう。「累計利用者数〇〇名突破」「累計販売数〇〇個突破」のようなフレーズも、多くの人が利用している証明になると思います。

受賞歴・認定

「受賞歴」もアピールになります。「〇〇賞受賞」といったものですね。よく見かけるもので言うと、「モンドセレクション金賞受賞」があります。これが本当に信頼できるのかどうか時々話題になったりもしますが、これも何か賞を受賞するからには良いものに違いない、と思わせる社会的証明の一つです。
さらに、「認定」もいいですね。何か厳しい審査を通り抜けなければ受けられない認定や認証がある場合、「あの認定許可も取っていますよ」といったPRも有効になるんじゃないかと思います。

信頼を後押しする力

こうやって見てみると、本当に日常の至る所で社会的証明の原理が使われているな、と皆さんも思ったのではないでしょうか。
これがまやかしというわけではなく、実際に信頼に足る情報だと私は思います。もちろん、盲目的に信じてほしいというものではなくて、例えば二つの選択肢で同じくらい悩んだ時に、「じゃあ好きなインフルエンサーが使っている方にしようかな」といった、最後の判断基準になるところでかなり効果を発揮するのです。
社会的証明があるから「じゃあ、もう少し詳しく情報を知ってみようかな」という「きっかけ」や「後押し」になるので、逆にこれが一つもないと、かなり不安じゃないですか?だからこそ、Webサイトでもこういった心理効果は散りばめられるだけ散りばめた方が良いと思います。

何か一つ載っているから良いというわけではなく、「これも使えそうだな」「あれも使えそうだな」というものを可能な限り入れていただく方が、よりきっかけ作りや信頼づくりに役立ってくれる可能性があります。

社会的証明の原理を活用する際の注意点

ただ、これらの手法には注意点もいくつかあります。これらに気をつけながら社会的証明の原理を最大限に活用してもらいたいと思います。

信憑性を担保する

まず一つ目が「信憑性」です。先ほどモンドセレクションの話が出ましたが、その実績が本当に信頼に足るものなのかどうかを、きちんと説明しておく必要があります。なので、「ランキング1位」と謳うなら、「それは何名の調査の結果のランキング1位ですよ」というように、証明自体にさらに信憑性を持たせることが大事になります。

ターゲットを考える

次に、「ターゲットをちゃんと考える」ということです。例えば、高齢者向けの商品なのに、「若者のインフルエンサーが良いと言っています」とアピールしても、あまり効果を発揮しないでしょう。その証明が、自社のサービスや商品のターゲットと合っているかを考えながらやる必要があります。

見せ方を工夫する

そして、一番シンプルなところですが、「見せ方」です。Webサイトにこれらの情報が載っていても、単純に目立っていなければ、訪問者は素通りしてしまう可能性があります。ランキング1位であれば、金色のバッジと共に大きく「1位」とデザインして載せるなど、そういった見せ方も大事になります。

最新性を意識する

「最新性」も重要です。これらの情報が、最近でも有効かどうかも大事なので、「ランキング第1位」を獲得したのがいつなのか、「しかも最近だよ」というところもきちんとPRできると良いでしょう。逆に、少し情報が古いのであれば、あえて時期をぼかしたりするような工夫も必要になるかもしれません。

ネガティブな情報の扱い

最後に、「ネガティブなものは載せない」という点です。これは少し難しいところで、単純にランキング10位という結果を載せても意味がない、というのは分かりやすいと思います。
しかし、逆にネガティブなところを載せることによって、信頼してもらえることもあるかと思います。私自身、結構ネガティブな部分も重要視するタイプでして、ネガティブな情報を見ても、それが自分の許容範囲内だったら、むしろそれを開示していることで信頼できるな、と思うこともあります。
よくあるのが、飲食店で異物混入問題などが起きた場合です。特に大手企業に限られますが、問題が起きた後、僕は逆にそこの飲食店を信用します。なぜなら、企業は絶対に対策をしますし、同じ間違いを犯したらとんでもなく株価が下がるので、「今後その企業が同じ問題を起こす確率は非常に低いな」と思ってしまうんです。これは皆さんの感覚によると思いますが、一般的にはネガティブな情報は載せないことが多い中で、あえて載せるという手法もある、ということでご紹介させていただきました。

まとめ

ここまで色々と社会的証明の原理についてご紹介してきましたが、本当に皆さんの身近に溢れているものだと感じていただけたかと思います。
ただ、今まで意識していなかったところもあると思うので、今後はWebサイトで自社のサービスをPRするだけでなく、その他に付加価値として、こういった社会的証明もありますよ、と可能な限りPRしていただいた方が有効に働くのではないでしょうか。

例えば、採用コンテンツで言うと、最近は「数字で見る〇〇」というコンテンツがだいたいどの採用サイトにもありますよね。あれも単純に数値を見せるだけでなく、「有給消化率〇〇%」と示すことで、「ここの会社の皆さんが有給を取っているなら、自分たちも入社後に有給を取れるはずだ」という証明に使われていたりします。

本当にあらゆるところで使えるので、「もっと社会的証明の原理に使えるところはないかな」と探しながらご自身のWebサイトを見てもらうと、より魅力的なWebサイトになり、コンバージョン率の向上につながっていくと思います。
ぜひ、まだそこまで取り組めていないよ、という方は積極的に取り入れてもらえればと思います。

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