24時間365日対応は違反?弁護士広告の「やってはいけない」最新NGルール
どうも、ウェブ企画パートナーズの竹内です!
今回は弁護士事務所のネット広告で「不適切広告には今後懲戒処分もあり得る」というニュースを見かけたので、ちょっと調べてみました。結構面白い内容だったので、皆さんにもご紹介したいと思います。
発端となったニュース
普段、私ははてなブックマークで3ハテブ以上ついたものを全部チェックする習慣があるのですが、そこで見つけたのが「弁護士事務所のネット広告、不適切広告には懲戒処分」というNHKのニュースでした。
「どういうことかな?」と思って、実際にNHKのサイトを見てみたんです。そこによると、例えば「24時間365日対応」と書いてあるネット広告や、詐欺被害金の回収などでトラブルになっているケースが多く、そういったものに対するガイドラインを今後もっと厳しく定めていくという内容でした。
日弁連の公式発表
ニュースだけでなく、日弁連のホームページにももっと詳しいことが書いてあるかもと思い、チェックしてみました。
日弁連のホームページには、2月21日付で「弁護士事務所に相談依頼をする皆様へ」というお知らせが出ていました。これが今回の件に関連する内容だと思い、開いてみたんです。
内容としては、最近インターネットやテレビ、ラジオなどの様々な広告で、弁護士の相談や依頼を考えている方に「過度な期待や誤解を与えて、国際ロマンス詐欺事件や債務整理事件等の委任を誘引しているものが散見される」とのこと。つまり、インターネットだけでなく様々な広告で、特に国際ロマンス詐欺事件や債務整理に関して、ちょっとひどい広告が見られるということを警告しています。
広告の中には「弁護士職務基本規程」などの規定に違反しているものもあるので注意してくださいという内容でした。
具体的に問題となる広告とは?
弊社も弁護士さんの広告のお手伝いをさせていただくことがあるので、どういったものが問題なのか勉強しておかなければと思い、詳しく見てみました。
日弁連のページによると、「弁護士の業務広告では、事実に合致していない広告、または誤認の恐れのある広告、または過度な期待を抱かせる広告は禁止されています」とのこと。正直、広告ってこればかりな気もするんですが…(笑)。この辺は実際、弁護士さんの方がラインの引き方について詳しいと思います。ただ、基本的にはそういう広告は禁止されているということですね。
また、「依頼する弁護士と直接面談について」というポイントもありました。特に債務整理事件で、インターネット広告等で全国から依頼者を募り、大量に債務整理事件を受任しようとする一部の法律事務所において、受任予定の弁護士が「受任の際の直接面談義務」に違反しているおそれのあるものが散見されるとのことです。
これは「受任の際の直接面談義務」というものがあるようで、直接面談なので、もしかするとオンラインで面談しようとしていたり、電話で面談風にしているような場合は、弁護士さんの規定的にはアウトということみたいですね。
全国の弁護士会の対応
このページの最後には「参考:各弁護士会における注意喚起」というセクションがあり、東京をはじめ全国の様々な弁護士会のホームページでも、それに呼応するようにページを出しているようです。
タイトルだけ見ても「ロマンス詐欺、投資詐欺」とした神奈川弁護士会のようなものもあれば、仙台弁護士会のように「投資、副業、国際ロマンス詐欺」と副業にまで範囲を広げて告知しているケースもあり、弁護士会によって告知の仕方は結構違うみたいです。
概要を見ていると、特に国際ロマンス詐欺が特にひどくて、そういう規定を定める発端になったと思われますが、何も国際ロマンス詐欺や債務整理に絞ったものではないようです。つまり、これに違反している方は気をつけなければならなくなったというのが、このニュースの概要になっています。
実際に違反している広告はあるのか?
こういったニュースがあったので、実際にそういう広告がまだあるのか気になりました。ニュースが2月20日で、この撮影をしているのが23日なので3日後です。さすがにこういった告知が出されたら「そろそろまずいぞ」と思うはずです。懲戒処分などを受けると弁護士業を続けられなくなる可能性もあるので、もうそういったホームページはないんじゃないかと思ったんですが、もしかしたらあるかなと思って調べてみました。
調べ方としては、「LPアーカイブ」というサイトで弁護士に紐づいたLPを探したり、実際に「ロマンス詐欺 弁護士」などで検索してみました。LPは広告枠なので費用対効果を意識する上で過激な表現をしがちなんですよね。
すると…ありました!まだありました!
(※以下、特定の弁護士事務所のサイトについての言及があるため、全てモザイク処理しています)
この弁護士事務所のサイトが本当に違反しているかどうかは、私は弁護士ではないのでわかりませんが、スクロールしてすぐに「24時間365日受付」と書いてありました。もしこの弁護士事務所が弁護士一人だけだったら、先ほどのニュースにある「一人なのに24時間365日という事実と異なる表記」に該当することになります。
気になったので、この弁護士事務所のホームページも見てみました。事務所名は弁護士さんの名字がついていましたが、名字がついていても所属弁護士が一人とは限らないので、「弁護士紹介」というページも確認しました。
見てみると、ご挨拶から始まって、スクロールしていくと「弁護士紹介」が出てきましたが、このページに掲載されているのは少なくとも一人だけでした。もしかするとホームページの掲載が遅れていて実際には二人いるということもあるかもしれませんが、Web上から見る限りではガッツリ違反しているように思います。実際、弁護士さん二人でも24時間365日を維持し続けるのは結構大変だと思うので、ほぼ黒ではないかと思います。
まとめ
まだこういう広告が残っているということで、日弁連のお知らせがどこまでの効力を持っているのか若干疑問が湧くと同時に、結構「やんちゃな」弁護士さんも多いんだなというのが改めて分かりました。
弁護士業界の広告の規定については度々議論されているところなので、この記事をご覧になっている方の中にも、「こういう広告はアウトだよ」と知っている方も多いのではないでしょうか。新たにこういう動きがあるということで、どれくらい本腰を入れてこれを取り締まっていくかは日弁連次第だと思いますが、やはり騙していくのは基本的には良くないことです。
もし「しまった!うちもこれに該当するかも…」と思われた方は、一度確認されることをお勧めします。LPって同時に何種類か展開することも多いので、ABCDEといろいろあって、そのうちのCにちょろっと書かれていた一文がアウトになる可能性もあります。この機会に広告を見直されるといいのではないでしょうか。
また、こういった広告の規定に関するニュースがあったら、調べて分かる範囲で情報公開していこうと思います!