ウェブサイトの開発と維持には費用がかかります。適切な予算の設定は、プロジェクトの成功を左右する重要な要素です。予算を計画する際には、ウェブサイトの目的、規模、機能、デザインの複雑さなど、多くの要因を考慮する必要があります。

費用の相場は?

ホームページ制作費用の相場についての記事をいくつも見かけましたが、マッチングサービスを提供する企業のオウンドメディアが執筆している記事が多いです。マッチングサービスは一般的にクラウドソーシングも含め、低価格帯でホームページ制作を提供する場合が多く、相場が下がりがちなので参考になりにくいです。

結論から申し上げますと、一般的な中小企業が必要とするホームページの制作費用・料金の相場は100〜200万円程度です。(5万円でできるホームページや1,000万円以上するホームページなどありますが、今回は一般的な中小企業が必要とするホームページの相場のお話をします。)

ホームページ制作費用を決める要素

ホームページの費用は様々な要素の組み合わせで成り立ちます。では、どのような要素で相場が変わるのでしょうか。普段、お客様にホームページの費用について説明をする際、家に例えることが多いので、今回も家に例えて説明します。

ページ数・ボリューム

一軒家を建てる場合、核家族か2世帯なのか、子どもはいるのか、客間を用意するのか、収納はどれくらいいるかなど、住む人数や部屋の用途によって部屋数は変わります。当然、部屋数が増えれば費用は上がります。また、部屋の広さも6畳と20畳では広い方が高くなります。

ホームページ制作も同様で、あなたが何ページ必要なのか、そのページにどれくらいの情報を入れたいかによって費用が変わります

オーダーメイドかテンプレートか

注文住宅の場合、何度も打ち合わせを重ねた上で設計し建てるため、その分、打ち合わせ費用や設計費用が上乗せされます。一方、建売住宅の場合は、打ち合わせ費用は大きくカットできますし、同じような家が複数ある場合は設計コストや材料費も安くなる可能性があります。

ホームページも同様で、テンプレートを使用すれば打ち合わせも設計もほとんど必要ないため安くなりますが、オーダーメイドにすると打ち合わせ、デザイン・構築にそれぞれ時間がかかるため高くなります。テンプレートを使用したホームページは、一般的に制作期間が短く、ユーザーが使いやすい設計・仕様になっていることが多いというメリットがありますが、オリジナル性に欠けるため、他社との差別化が難しいことがあります。あなたが他社と差別化したい、オリジナルのデザインが良いといった希望があれば、その分費用は高くなります

必要な機能

例えば、家にエレベーターが欲しい、床暖房が欲しい、サンルームが欲しいなど必要な機能をつければ費用は高くなるのは想像に容易いでしょう。

ホームページでも、自分でページ更新できるシステムを設置したり、会員登録やクレジットカード決済の機能をつけたり、外部データを取得してリアルタイムに計算する機能など、複雑な機能をつければつけるほど、ホームページの費用も上がります

セキュリティレベル

ホームページをサイバー攻撃すべてに対して完璧にセキュリティ対策しようとすると、無限の対策が必要となります。どんなにセキュリティが高い家だったとしても、完全に防ぐことが難しいのと同じです。入口を完璧な防御で固めていたとしても、同じ住人であれば最初からセキュリティを下げて突破することができますよね。

ホームページは様々な手口によってサイバー攻撃が行われ、時代とともに新たな手法が開発されています。ですから、完璧なセキュリティ対策は無理としても、最低限のセキュリティ対策は必要です。

攻撃される恐れのある企業(有名な企業だったり、機密情報を扱う企業など)はセキュリティレベルを高くする必要があります。ホームページが攻撃を受けたときの損害の大きさでセキュリティレベルを考える必要があります。

事前準備・品質管理チェック

家は建てて終わりではありません。家を建てる前に地盤を確認したり、完成後には図面通りか、不具合はないかなどの確認が必要です。品質管理のチェックは人が行うため当然コスト(人件費)がかかります。

ホームページの場合で言いますと、制作する前には、現状のホームページのアクセス状況や、競合他社や顧客などのマーケティングを行い、制作後には、文言にミスはないか、セキュリティーに漏れはないか、デバイスによるデザインの崩れはないか、高齢者・障害者でも認識できるアクアシビリティがあるか、などの確認項目は多数あります。確認項目が増えれば増えるほど、チェックする人員が必要になるため費用は上がります。

ホームページの事前準備や品質管理をどの程度制作会社に任せるのか、それとも自社で行うのか事前に確認しておくと、円滑に制作進行するでしょう。

制作スタッフの技術力

これはつい忘れられがちなのですが非常に重要です。ホームページ制作費用の大半は人件費です。ということは、素晴らしい技術力を持つスタッフの給料は高くなります。提供しているホームページの費用が安ければ、その費用で確保できる制作スタッフしかいませんし、制作費用が高ければ優秀な制作スタッフが在籍している可能性が高いです。

あなたが言ったことをそのままホームページに組み込んでくれるだけで良いのか、それともよりわかりやすい、より魅力的なコンテンツに変えて提案して欲しいのか、制作スタッフに求めることに合わせて必要とする制作スタッフは変わります。

制作スタッフが優秀かどうか、自社に合っているかどうかは、その会社の制作実績を見るのも一つの手です。制作実績のホームページが見やすい、使いやすい、サービスに魅力を感じるようであれば、あなたが必要とするホームページを制作できる可能性が高いです。

また、ホームページ制作には、デザイナー、エンジニア、ディレクター、ライター、マーケターなど、複数のスタッフが関わります。ホームページはデザイナーとエンジニアだけでも完成しますが、ディレクターがいればスムーズに制作が進行しますし、マーケターがいれば集客力がアップしますし、ライターがいれば訴求力の高いわかりやすい文章になります。関わる人数が増えれば、自ずと制作費用も上がります。(注:営業スタッフが多い会社は営業スタッフの人件費も制作費に含まれます。)

求めるホームページで相場は変わる

以上のように、企業によって必要とするホームページは異なります。どの程度のホームページを自分たちが求めているのか、上記の要素に沿って考えることにより、あなたに最適なホームページ制作会社の相場が分かるのではないでしょうか。

冒頭でホームページの制作費用・料金の相場は100〜200万円程度とお伝えしましたが、一般的な中小企業が制作しているホームページの平均値です。もし、ホームページで他社と差別化を図りたい、集客したい、ブランディング構築など達成したい目的があるようでしたら、他社よりもレベルを上げる必要があるため、制作費用は300〜500万円程度が妥当のように思います。平均価格よりは高くなるかもしれませんが、長い目で見て費用対効果が高いホームページになるように思います。

制作費以外に考慮すること

継続的な運用コスト

ウェブサイトは、ローンチ後も継続的な管理とメンテナンスが必要です。ホスティング料金、ドメイン名の更新、セキュリティの維持、コンテンツの更新、テクニカルサポートなどのコストを考慮に入れます。

» 維持費用について知る

マーケティングと広告の予算

ウェブサイトを効果的にプロモートするためには、マーケティングと広告にも予算を割り当てる必要があります。SEO、ソーシャルメディアマーケティング、ペイド広告など、目的に合わせた戦略に基づいて予算を計画します。

ROIの考慮

予算を設定する際には、投資対効果(ROI)を考慮することが重要です。ウェブサイトによって期待される収益や節約効果を評価し、それに見合った予算を割り当てます。

定期的なレビューと調整

ウェブサイトは進化し続けるものであり、市場の変化やビジネスの成長に伴い、予算も見直しと調整が必要です。定期的に予算をレビューし、必要に応じて調整を行います。

予算の設定は、ウェブサイトの計画と実行の基盤を形成します。適切な予算計画により、ウェブサイトはその目的を効果的に達成し、長期的な成功を収めることができます。