
構造化データ
今回は「構造化データ」について、ご説明していきたいと思います。 「今さら聞けない用語解説シリーズ」のひとつとしてご紹介していくんですが、構造化データという言葉、Webの担当者になられた方だったら、どこかで一度は耳にするワードになるんじゃないかなと思うんですけどね。
一体構造化データってどんなものなのか、そしてどういった役割や種類があるのか、そのあたりを詳しく見ていきましょう。
構造化データとは?基本のキ
まず最初に、構造化データとは何かを一言でいうと、それは「検索エンジンに正しく情報を伝えるための仕組み」 というものだと考えています。
検索エンジンへの情報伝達の重要性
今、検索エンジンに情報を伝える、というお話をしましたが、Webページを評価するとき、今の日本ではGoogleがメインですけど、Bingなど他にもさまざまな検索エンジンがありますよね。 これらの検索エンジンが、どういった仕組みでページの内容を評価しているかというと、「クローラー」と呼ばれるロボットのようなものをイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。
そのロボットがWebの世界を縦横無尽に走り回って、情報を巡回しているんですよね。 リンクからリンクをたどって、「あぁ、このページはこういう内容なのね」と内容を読み取っては、それをGoogleなどの検索エンジン本体に送って、「こういう評価でした」みたいな感じで処理されていきます。 そして、その評価によって検索結果の順位が決まって掲載されていく、と。 他の検索エンジンも、だいたいは同じような仕組みを取っています。
なぜ構造化データが必要なのか
その時にですね、ただ単にページの内容を読んだだけでは、Googleが情報を正しく理解しきれないかもしれない、ということがあるんです。 ですから、「補助として情報をいただけたら嬉しいです」という検索エンジン側の思いがあるわけですね。
ホームページを見ている私たちユーザーからは一切見えないんですが、ページの裏側のソースコードに構造化データを仕込んでおくことで、クローラーがやってきたときに、クローラーにだけ伝わるような情報を書いておく。 それが構造化データと呼ばれるものになります。
構造化データがもたらす評価への好影響
このようにして検索エンジンに正しく情報を伝えることによって、評価されやすくなって検索の上位に表示されたりする、ということが期待できるんです。 もちろん、構造化データだけで必ず上位表示されるわけではないんですけど、その要素の一つとして、確実に重要なものになってくると言えるでしょう。 さまざまなサイトが実装しているのは、やはりメリットがあるからなんですね。
構造化データを掲載するメリットとは?
さて、そのメリットについてですが、先ほども少し触れましたけれども、改めて整理してみましょう。
メリット1:検索エンジンからの正しい評価
まず一つ目の大きなメリットは、検索エンジンにページの内容を正しく評価してもらえるようになる、という点です。 これにより、検索結果で上位に来やすくなる要因の一つとなり得ます。
メリット2:検索結果での特別な表示(リッチリザルト)
そしてもう一つ、特にGoogleにおいて顕著なのですが、正しく評価してもらった後に、検索結果の表示で優遇を受けられる可能性があるというのも、構造化データの最大のメリットになります。
例えば、Googleの公式ページにも分かりやすいサンプルが掲載されていますが、レシピの構造化データというものがあります。 これは本当にたくさんの種類がある構造化データの中の一つです。 そのサンプルを見ると、一見すると複雑なコードが書かれている部分がありますが、それが構造化データの実体なんですね。 これはクローラー、つまりロボットにしか基本的には読み取られない情報です。
こういった構造化データを実装するとどうなるかというと、検索していると時々、何か特別な枠のような感じで情報が表示されることってありませんか? あれが「リッチリザルト」や「リッチスニペット」と呼ばれるもので、構造化データを設定することで、ああいった特別な枠にピックアップされる可能性が出てくるんです。
つまり、検索上位表示という点以外にも、ビジュアル的に強化された状態で検索結果に掲載される可能性が出てくるわけです。 当然、文字情報だけで並んでいるよりも、例えばレシピでしたら美味しそうな写真とセットで特別な枠で掲載された方が、クリック率は高いに決まってますよね。 そういったところで、他のサイトよりも優位性を出せる、というのが大きなメリットです。
まとめると、構造化データを掲載する主なメリットは以下の通りです。
- 検索エンジンにページの内容を正しく評価してもらえる
- 検索結果の表示で優遇を受けられる可能性がある(リッチリザルトなど)
- ビジュアル的に強化された表示によりクリック率向上が期待できる
どんな種類があるの?構造化データの世界
次に、構造化データの種類についてお話しします。これはですね、かなりたくさんあるんですよ。
Googleが対応している構造化データの数々
試しにGoogleの公式ページを見てみると、「すべての構造化データ機能」という項目があって、そこにズラッと一覧が並んでいます。 例えば、「記事」「書籍」「イベント」「パンくずリスト」「カルーセル」「コース情報」「よくある質問」「組織」などなど…本当にたくさんあるんです。 これらがGoogleが現時点で対応している構造化データの主な種類になります。
具体的にGoogleが対応している構造化データの例としては、以下のようなものがあります。
- 記事
- 書籍
- アクション(イベント等を含む広義の行動)
- パンくずリスト
- カルーセル
- コース情報
- よくある質問
- 組織
- その他多数
規格の源流は「Schema.org」
これだけたくさんあると、「Googleは全部対応しているのか」と思われるかもしれませんが、実は構造化データという規格そのものは、Googleが考えたものではないんです。 Schema.org(スキーマ・ドット・オルグ)という団体がありまして、そこが構造化データの規格を作っているんですね。
先ほどGoogleが対応しているものをご紹介しましたが、このSchema.orgのサイトでは、もっともっとたくさんの種類の構造化データが掲載されています。 例えば、「Person」という個人に関する構造化データなども定義されていて、このように書けますよ、というサンプルが豊富にまとめられているんです。
つまり、Schema.orgで定義されている膨大な構造化データの中から、Googleが「うちの検索エンジンではこれとこれに対応していますよ」と選んでサポートしているのが、先ほど挙げたGoogleの公式ページに載っているリスト、ということになります。
Schema.org と Google の関係性を簡単にまとめると、以下のようになります。
特徴 | Schema.org | Googleの対応 |
---|---|---|
役割 | 構造化データの包括的な規格を策定 | Schema.orgの規格の一部に対応・サポート |
種類の網羅性 | 非常に多くの種類を定義している | Webでよく利用される主要な種類を中心に対応 |
Web開発者の本音「まずはGoogle対応から」
本当はですね、あらゆる構造化データをどのページにも適切に掲載するのが理想的なのかもしれません。 ただ、正直なところ、現状ではGoogleが検索エンジンのシェアをかなり握っていますから、「まずはGoogleが対応している構造化データは、少なくとも対応しておきたいよね」というのが、多くのWeb開発者の本音だったりしますね。
まとめと構造化データの奥深さ
以上、かなり初心者向けに、ざっくりとした内容でお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
書き方の種類や変化する仕様
他にも解説したかった内容としては、実は構造化データの書き方にも3種類ぐらいあったりするんです。 それをどれで書いたらいいか、なんて話を始めると、ちょっと初心者向けというよりはマニアックな内容になってしまうので、今回は割愛しました。
構造化データって、結構奥が深いというか、本当に様々なシーンで使えますし、しかもGoogleが新たに対応する種類を加えたり、途中で仕様が変わったりすることもあるんです。
「よくある質問」構造化データの事例
一時期、全ページに「よくある質問」を埋め込んで、それを構造化データでも載せておくと、「よくある質問」が検索結果上に表示されるようになった時期があったんですよね。 その時はもう、あらゆるWebサイトの運営者が「うちも全ページによくある質問を載せて、構造化データで示そう!」という動きがあったくらいです。 ただ、あまりにも皆さんがそれを載せるものですから、おそらく検索結果の品質が低下したのか、構造化データ自体はGoogleが対応しているものの、実際に検索結果に表示されるのはかなり限られた条件だけになったり、といった変化もありました。
このように、Googleの動きとも密接に連動してくるので、新しい仕様などに早めに対応すれば、大きく利益を得ることもあるのが構造化データの世界なんです。 ですから、これはかなり重要なものになると言えますね。
あなたのサイトも確認してみよう!
先ほど紹介したGoogleの公式ページなどを見て、「あ、このコンテンツ、うちのサイトにもあるな。これって構造化データに対応しているのかな?」と思われた方は、ぜひ一度、社内のエンジニアの方や、もし外注しているのであれば制作会社に確認してみてください。 「この構造化データ、うちのサイトには載っていますか?」と聞いてみて、まだ対応していないということであれば、すぐに対応していただくことをお勧めします。 そうすることで、よりGoogleに正確な情報を伝えられるようになりますからね。
具体的には、以下のようなステップで確認・対応を進めると良いでしょう。
- 自サイトに掲載しているコンテンツの種類(例:記事、レシピ、イベント情報など)を把握する。
- Googleの公式ドキュメントなどで、それらのコンテンツに対応する構造化データがあるか確認する。
- 社内のエンジニアやWebサイトの制作を依頼している会社に、該当する構造化データが既に実装されているか問い合わせる。
- もし未対応であれば、実装を検討し、依頼する。
もし、ご自身での対応が難しかったり、相談できる相手がいなかったりする場合は、弊社でもホームページの制作や修正などを承っておりますので、よろしければ一度お問い合わせいただけますと幸いです。