
CTA
どうも、ウェブ企画パートナーズの竹内です。 今回はですね、「CTA」という言葉の意味について解説したいと思います。
目次
今さら聞けないウェブマーケティング用語「CTA」
「今さら聞けない用語解説シリーズ」ということで、Web担当者になったばかりの方とか、そういう方に向けて解説をしていきます。Web業界ではよく3文字の英語が出てきますので、それを覚えていただこうと、この用語解説の記事を書いています。
CTAもWebマーケティング業界でよく出てくる言葉の一つです。 例えば、会議の場などで「CTAをもうちょっと上部に設置した方がいいですよ」とか、そんな感じで利用されることが多い言葉ですね。言葉の意味が分からないと苦労するかと思うので、初心者向けに「これだけは押さえておいたらいいよ」というところをまとめたので、解説したいと思います。
CTAとは何の略?
まず、3文字英語あるあるなんですが、何の略かを覚えていただくと、意味が繋がりやすくて覚えやすいので、ぜひ覚えていただきたいです。
CTAとは、「Call To Action(コール・トゥ・アクション)」を短くしたものです。 これを日本語に訳すと「行動喚起」になります。
つまり、Webサイトに訪れたお客様、ユーザーに対して、何か特定のアクション、つまり行動を促すような、そういった施策のことをCTAと呼んでおります。
CTAの具体的な例
具体的に言うと、サイトにある「お問い合わせボタン」や「会員登録ボタン」、「ダウンロードボタン」などが分かりやすい例ですね。
WebサイトにおけるCTAの具体例
- お問い合わせボタン
- 会員登録ボタン
- 資料ダウンロードボタン
- 購入ボタン
- メルマガ登録フォーム
ただ、Webサイトの性質によってCTAとされるものは変わってきたりするので、その場の雰囲気で「この場合のCTAはお問い合わせのことだな」とか、「この文脈だったら会員登録ボタンのことだな」というように、想像しないといけない場面もあります。
時にはお問い合わせも複数あって、「これは採用サイトへの行動喚起だな」と考えたりする必要もあります。ユーザーを特定のページに誘導したり、特定の行動を促すような文脈で「CTA」という言葉が出てきたら、「ああ、あれのことかな」と想像する力が必要になるんです。
CTAを考える上での3つのポイント
ここまでで大体CTAがどんなものか、皆さん想像がついたかと思います。ここでは、CTAを考える上でのポイントをまとめてみました。ポイントは大きく三つあるかなと思ってまして、それは**「設置箇所」「文言」「デザイン」**です。
CTAには工夫の余地がかなりたくさんあるので、これが絶対に正解だ、というものはなかったりするんですけど、この3つのポイントを押さえていただければ問題ないと思います。
CTA改善!3つのポイント早わかり表
ポイント | 主な考え方 | 具体的な改善アプローチ例 |
---|---|---|
設置箇所 | ユーザーの視線や行動の流れを意識し、最適な場所に置く | ・Webサイトのファーストビューに設置する\<br>・ブログ記事の最後に設置する |
文言 | ユーザーが次に行うことを具体的に示し、行動を後押しする言葉を選ぶ | ・「予約する」→「予約確認ページへ」\<br>・「資料請求」→「無料で資料をダウンロード」 |
デザイン | 周囲の要素から目立たせ、クリックできると直感的に分からせる | ・ボタンの色をサイトの基調色と変える\<br>・ボタンのサイズを大きくする、影をつける |
ポイント1:設置箇所
まず考えなければならないのは「設置箇所」です。
よく言われているのは、ファーストビューですね。 Webサイトを訪れてすぐの、スクロールしなくても見える範囲にCTAがあった方がいいと言われています。
例えば、お問い合わせをもらいたいサービスの場合、よく「地域ナンバーワン!」みたいなキャッチコピーだけが大きく載っているサイトがあったりします。でも実は、その右下あたりに「早速問い合わせてみる」といったボタンがあった方がいい、と言われているんです。
というのも、Webサイトの使い方ってお客様それぞれなんですよね。まずはいろんなページをじっくり読み込んでから、安心してお問い合わせをしたいという慎重な方もいますし、「とりあえず3社くらい相見積もりを取りたいから」と、すぐにお問い合わせボタンに辿り着きたい方もいらっしゃると思うんです。後者のような、すぐに行動したい方からすると、お問い合わせボタンを探さないといけない、という状況はストレスになり、結果としてお問い合わせ率が下がってしまうんですよね。ですので、設置箇所は非常に重要と言われています。
他にも例を挙げると、オウンドメディア、つまりブログ記事で考えてみましょう。「無料で集客する方法」みたいな記事があったとして、その記事の最後に「ここでは書ききれなかった秘密の特典資料をダウンロードできますよ」というボタンをきちんと出しておけるかどうか。そういった設置箇所も重要です。
お客様の「今すぐ行動したい」というニーズに応えたり、記事の流れ、つまり文脈を考えた設置が重要になってきます。「無料で集客できる方法」という記事の最後に、「風邪を治す方法」みたいなボタンがあっても、絶対に誰も押さないじゃないですか。なので、場所そのものも大事なんですけど、文脈を考えた設置箇所が重要になってくるわけです。
ポイント2:文言(もんごん)
2つ目のポイントは「文言」です。これも変えるだけで成果が結構変わると言われています。
昔、あるセミナーで聞いた話なんですが、楽天トラベルでの事例です。元々は宿のページのところに**「予約する」というボタンがあった**そうなんです。でも、そのボタンを押したら予約が完了してしまう、と勘違いしてしまうお客様が一部にいたみたいなんですね。
そこで、そのボタンの文言を**「予約確認ページへ」というような、より正確な表現に変えた**そうです。そうしたら、「ああ、これはまだ予約が確定するボタンじゃないんだ」とユーザーが安心してクリックできるようになり、クリック率がすごく上がった、という事例があったそうです。
事例:ボタンの文言変更によるクリック率改善
変更前(Before) | 変更後(After) | |
---|---|---|
ボタンの文言 | 「予約する」 | 「予約確認ページへ」 |
ユーザー心理 | 「押したら予約が完了してしまうかも」という不安 | 「まだ予約は確定しないんだな」という安心感 |
結果 | クリックへのためらいが発生 | クリック率が大幅に向上 |
こういった事例からも分かるように、文言を何にするかという工夫は、すごく大事だったりします。
他にも単純な話で言うと、リンクの文字のフォントサイズだったり、リンクの色も重要です。例えばパソコン版のYahoo!ニュースですと、検索窓の下にニュースがずらっと並んでいますよね。あそこのフォントサイズやフォントの色も、「何ピクセルで、どの色が最もクリックされやすいのか」ということを当然テストして、今が一番いい状態になるように改善されています。そういった文字の見せ方も重要になってくるんです。
ポイント3:デザイン
3つ目のポイントは「デザイン」です。先ほどの文言の文字サイズの話も、どちらかというとデザイン的な要素かもしれませんね。 [cite:1]
例えば、何か特定のキャンペーンにユーザーを促したいこともあると思います。サイト全体が青色を基調としたおしゃれなデザインで、その世界観を壊さないためにキャンペーンバナーも青色にしていたとします。でも、全体が青色なので、そのキャンペーンバナーが目立たず、ユーザーの目線が素通りしちゃう、ということが起こり得ます。
そういう時は、「そこだけは絶対にお問い合わせが欲しいから、あえて赤色のバナーにして目立つようにしよう」とか、そういったデザイン的な改善も重要になってきます。
まとめ:CTA改善は手軽で効果的な施策
ここまでお話ししてきたポイントが全てではありませんが、CTAに関して行われる改善は、大体この「設置箇所・文言・デザイン」をどうするか、という話に集約されます。
CTAの改善は、手軽にできるWebサイト改善の一つの要素なんですよね。ボタンの文字を変えるだけ、とか、すごく簡単にできることですし、バナーの設置箇所を変えたり、デザインのテイストを変えたりするのも、Webサイト全体のリニューアルに比べると比較的に簡単な方です。その上、効果も実感しやすいという特徴があります。
そして、これらのポイントを改善していく上で、「ABテスト」をするのが大事になってきます。ABテストとは、AパターンとBパターンの2つを用意してみて、「どっちの方が効果が良かったか」を確認し、良かった方を採用していく手法です。そしてまた新たにCパターンを作って、勝った方と戦わせて、さらに良い方を採用していく。これを繰り返していくんです。
Webサイトの成果を上げるために、比較的簡単にかつ効果的に行える施策の一つがCTAの改善です。もし、これまでCTAという言葉を知らなくて、「うちの会社のCTA改善って、ちゃんと出来ているかな?」と考えて、もし出来ていないようであれば、ぜひ手軽に取り組んでみてください。
まだCTAという言葉を覚えていなかった方も、この記事を読んだ明日から、会社で「うちの会社、CTAの箇所が少ないんじゃないですかね?」みたいな感じで話していただけると、「おっ、急に立派なWeb担当者になったな」と思っていただけるんじゃないかなと思いますので、是非使いこなしていただければと思います。