https://youtu.be/ZkTPfeQ0-qo
「llms.txtがAIに有効らしい」という話、聞いたことはありますか?
最近、「llms.txtというものがAIに有効らしい」という話を耳にした方も多いのではないでしょうか。
というわけで今回は、llms.txt(エルエルエムズ・テキスト)について解説します。
llms.txtとは?
llms.txtは何の略?
そもそもこのllms.txtは、ある言葉の略なんですけど、何の略か分かりますか?
「Large Language」までは分かっても、その後が出てこないという方が多いと思います。そこまで分かっていれば、実はかなり詳しい方です。
正解は「Large Language Models Text」
正解は、Large Language Model(s) Textです。
Large Language Modelとは、ChatGPTなどのAIのもとになっている大規模言語モデルのことですね。つまり、llms.txtはAI向けに用意するテキストファイルです。
サーバーに置いておくだけのシンプルなテキストファイル
どうやって使うかというと、llms.txtは単純なテキストファイルです。
このllms.txtを自社のホームページのサーバーにアップロードしておけば、AIが読み取りに来てくれて、自社の情報を正しく学習してくれる、というファイルになります。
書き方のフォーマットが決まっている
「こういうふうに書いてくれたら読み取りやすいですよ」という形式も決まっています。
テキストファイルって、本来は自由に文字を打ち込めるものですけど、llms.txtは書き方のフォーマットが決まっているんです。
具体的なやり方は、調べていただいたり、うちにご依頼いただければと思います。

なぜ有効だと言われているのか
では、これがなぜ有効だと言われているのかというと、実際にテストした人がいて、AIがllms.txtを読み取ったという結果が出ているんです。
そのため、「有効なんじゃないか」と言われていたりする、というものですね。
llms.txtは本当に有効なのか
実は「ちょっと怪しい」というデータもある
さて、先ほど有効だったという話はしたんですけど、じゃあ実際に有効かと言われると、ちょっと怪しいというデータもあるんです。
SEOの専門家が試した「cat.txt」の実験
それが、アメリカのSEO、つまり検索エンジン対策に詳しい人が行った実験です。
その人は試しに、cat.txtという、サイトの内容とはまったく関係のないテキストファイルを作りました。中身は、遊びで書いた猫の情報です。
それをサーバーにアップしたところ、AIが実際にそのファイルを読み取って、猫の情報を返してきたんです。
さらに、AIが猫の情報を返したことが面白かったので、その人がSNSで共有したところ、今度はそのSNSの投稿をAIがまた学習して、「あれは冗談でした」とAIが返すようになった、という出来事がありました。
AIはテキストファイルがあれば何でも読み取ってしまう
つまり、llms.txtはAI向けに開発されたものではあるんですけど、実際には、テキストファイルがアップされていれば、AIは何でも読み取っている状況なんです。
だから、「llms.txtだから特別に有効というわけではないんじゃないか、ちょっと怪しいよね」と言われているところがあるんですね。

Googleの公式見解は「まだ決めていない」
実際、Googleも公式見解を発表しています。みんなから「llms.txtは有効なのか?」という質問がいっぱい来たんでしょうね。
その結果、現状としては、llms.txtを読み取ると決定はしていない、そしてそれを使ってどうやってサイトを評価するかもまだ決めていない、とのことでした。
Googleの場合、AIはGeminiですが、Googleの公式見解としても、Geminiとしても、有効だとはまだ言っていない状況です。

やはりそういうこともあって、他にも理由はあるんですけど、個人的にはllms.txtはちょっと怪しいなと思っています。
なぜ怪しいと思うのか
SEO業界20年以上の経験から見ると「よくあること」
なぜ私が怪しいと思っているのかというと、私自身がSEO業界に20年以上携わっているので、こういうことは正直よくあることだからなんです。
かつて流行った「meta keywords」
例えば、「meta keywords(メタキーワード)」というものがありました。
これは、サイトの裏側(HTMLの中)にタグを埋め込んでおいて、そのページのキーワードを書いておくものです。
例えばうちだったら、ホームページ制作会社で全国から依頼が欲しいので、都道府県を全部書く。「東京、北海道、沖縄……」みたいな感じですね。
こういうのが昔流行ったんですが、今はもう、このキーワードはまったく意味がなくなっています。
なぜ意味がなくなったのか
これ、なんでだと思いますか?
「膨大な情報を書きすぎたから?」と思った方もいるかもしれません。当たらずとも遠からず、という感じなんですけど。
悪さがしやすいものは、いずれ採用されなくなる
結局のところ、悪さがしやすいものは、そのうち不採用になることが多いというのが、私の経験則としてあるんです。
meta keywordsで行われていた「悪さ」
例えば、実際には商品が安くないのに、meta keywordsに「安い」と書いてあるせいで、「安い」と検索したときに上位に上がって、お問い合わせをたくさんもらう、という悪さ。
あるいは、そのサイトとは全然関係のない内容を入れる。例えば、アダルト系のサイトをやっているのに、もっと多くの人に見てもらいたいからと、全然関係のない病院の名前を入れるとか。
そうやって関係のないキーワードを入れたりして、恣意的に検索エンジンを混乱させることができてしまったんです。
検索エンジンがこのキーワードを読み取っていたせいで、検索結果がめちゃくちゃになって、Googleを使った人が全然目的のサイトにたどり着けない、という状態になってしまいました。

llms.txtも同じ構造ではないか
だから、悪さをしやすいものなんです。
このllms.txtも一緒じゃないですか?
AIに読み取らせるためのファイルに嘘の情報を書いておく。それこそ先ほどのcat.txtファイルと一緒で、嘘の情報を書いておいて、AIにそれを読み取らせて悪さをすることができてしまうわけです。
こういうものは、基本的にはすぐに廃れる、なくなるんです。
「llms.txtでAI対策できます」という営業には注意
最近、「御社のサイトにはllms.txtがないので、これを入れたらAI対策ができますよ」みたいな営業のメールや電話が流行っていると聞くんですけど、こういう理由からも、llms.txtが有効になることはないだろうなという気がしています。
じゃあllms.txtはやらない方がいい?
やれるなら、やっておいた方がいい
ここまで読むと、「じゃあllms.txtはやらない方がいいのか」と思うかもしれませんが、やらない方がいいかというと、これもまた怪しいんです。
やれるならやっておいた方がいいです。
ただし、いずれ意味がなくなるかもしれない
ただ、いずれ意味がなくなるかもしれない。もしくは、そこまで大きなインパクトのある施策ではないかもしれない。
というのがllms.txtになります。
llms.txtより優先してやるべき3つのこと
llms.txtよりも優先すべきことがある
llms.txtの施策をしても全然いいんですけれども、ほかにも、もっと優先してやるべきことがあるので、それをお話ししていきます。大きく3つあるかなと思います。
対策1:JavaScriptを使いすぎたサイトを見直す
1つ目は、JavaScriptを使いすぎているサイトを見直すことです。
JavaScriptというプログラミング言語があるんですけど、これを巧みに使って、アニメーションが派手なおしゃれなサイトを作ったりと、Webサイトの見た目をより豊かに表現するのに使われています。あとは、サイト内の検索ツールなどにもJavaScriptが使われていたりします。
ただ、JavaScriptを使いすぎているサイトの場合、AIはJavaScriptで表示される情報を現状は読み込めないんです。

なので、もしそういうサイトになっているのであれば、JavaScriptに頼りすぎるのをやめるという対策を、いち早くした方がいいです。
対策2:構造化データを整える
2つ目は、多くの人に当てはまりやすいかなと思うんですけど、構造化データです。
「構造化データ」と聞いても、ピンとこない方も多いかもしれませんね。
構造化データとは
構造化データは、SEOで有効だったりするものなんですけど、AIにも有効です。
llms.txtとはちょっと違うんですけど、これもサイトの裏側に書いておくもので、例えば「このページはサイトの中でどの位置に所属していますよ」ということを検索エンジンに伝えるための構造化データなどがあります。
パンくずリストで考える構造化データ
分かりやすいのが「パンくずリスト」です。
Amazonなどを見ていると分かるんですけど、商品ページの上の方に「ホーム > 家電 > ヒゲ剃り」みたいなリンクがあるのを見たことはありませんか?
これが「パンくず」と言われているものなんですけど、仮にGoogleが「ヒゲ剃り」という商品が何なのか分からなかった場合でも、パンくずリストを見て「あ! 家電に所属するアイテムなのね」と理解できるわけです。

構造化データは100種類ほどある
構造化データというのはたくさんの種類があって、100くらいあるんです。
その中で、Googleが「これはやってね」と言っている構造化データがあるので、そういうものをもっとやった方がいいです。
例えば、レシピのページにはレシピ向けの構造化データ、映画には映画向けの構造化データ、よくある質問にはよくある質問向けの構造化データ、会社概要には会社概要向けの構造化データ、というようにたくさんあります。
そういう中で、自社に当てはめられそうな構造化データをたくさんやっておく方が、検索にもいいし、AIにも有効なので、ぜひやった方がいいと思います。
対策3:サイトの外での評判を作る
3つ目は、サイトの評判です。
これまでの記事でもお話ししましたが、SEOの時代は自社のサイトだけ頑張っていればよかったんです。
でも、AIは評判を気にして情報を取ってくるところがあるので、自社のサイトをllms.txtで対策するのもいいんですけど、それよりも自社の外で取り上げられるように頑張ることが大切です。
このやり方は本当にいろいろあって、SNSやYouTubeなどいろいろありますけど、そういうところを優先してやった方がいいです。
まとめ
llms.txtは「小手先のテクニック」
まとめると、llms.txtというのは小手先のテクニックで、本質的な施策ではありません。
本質的な施策を優先した方がインパクトを残せる
それよりも、自社のサイトの内部を整えたり、JavaScriptに頼りすぎるのをやめたり、構造化データをきちんとやったり、サイトの外の評判を作るために頑張ったり。
そういうことを優先してやる方が、結果的に、おそらくllms.txtはなくなると思うので、インパクトを残せると思います。
言ってしまえば「楽をせずに地道にやっていこう」
言ってしまえば、楽をせずに地道にやっていこう、ということです。
結構厳しい言い方かなという気もしますけど、llms.txtだけでAIに取り上げられるなら苦労しないですよね。それだったらみんなやりますもんね。
だからこそ、本質的な施策を優先してやっていく方がいいんです。
おわりに
今後もこういったAIに関する情報だったり、Webマーケティングに関する情報全般を発信していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。