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制作会社への相談・問い合わせ

今回は、ホームページ制作を依頼する際に役立つ「RFP」、つまり提案依頼書の作り方について、詳しくお話ししていきたいと思います。

これまで3回にわたって準備編として、目的やターゲット設定の重要性についてお伝えしてきましたが、いよいよ今回は実践編です。 実際にホームページ制作会社に問い合わせをして相談を進める際、事前にRFPを用意しておくのとそうでないとでは、検討のスピード感も変わってきますし、制作会社によってバラバラの見積もりが出てきて比較しづらくなる、なんてことも防げるんです。 ある業者には伝えたけど、別の業者には伝え忘れた、といったことが起こると、公平な相見積もりが取れなかったり、制作会社の強みを十分に引き出せなかったりすることがあります。 ですから、少し面倒に感じるかもしれませんが、RFPはしっかりと作成していただくことを強くおすすめします。

目次

RFPテンプレートについて

このRFP作成をサポートするために、ExcelでRFPの雛形となるもの、いえ、もう元として使っていただけるようなものを作成しました。 これから、そのExcelのサンプルをご覧いただきながら、どんな内容を記載していけば良いのか、順番にご紹介していきたいと思います。 もちろん、ご自身でオリジナルでRFPを作成していただいても全く問題ありません。

イチから作るのは手間だと感じる方は、ぜひダウンロードしてご活用ください。

RFP-templateダウンロード

プロジェクト概要を明確にする

まずRFPの最初の項目として、「プロジェクト概要」があります。 ここでは、なぜホームページを作ることになったのか、その背景や目的をしっかりと制作会社に伝えることが重要です。

目的・背景

目的と背景、これらは少し似ている部分もありますが、例えば目的としては「自社サービスの認知度向上」や「お問い合わせ数の向上」などが考えられます。 そして、そうなった背景としては、「かなり前に作ったホームページでスマホ対応ができていない」とか、「提供しているサービス内容が変わった」など、様々な理由があるかと思います。 正直、この目的と背景の部分がRFPの中で一番重要じゃないかと思っています。 他の項目はどちらかというと確認事項が多いので、ここはじっくりと書き込んでいただけると嬉しいです。

現状の課題

次に「現状の課題」です。これも目的や背景と関連しますが、そこには収まりきらないけれど、この機会に修正していきたいと考えている課題があれば、具体的に書き出してみてください。

目標（ゴール）

そして、「目標（ゴール）」です。 ホームページをリニューアルした結果、どんな状態になっていることが望ましいのか、具体的な目標を設定しましょう。 特に集客を目的とする場合は、このゴール設定が非常に重要になります。 コーポレートサイト、つまり会社案内のためのホームページのリニューアルの場合、ゴールが見えにくいこともあるかもしれません。 そういった場合は空欄でも構いませんが、例えば「ホームページの滞在時間アップ」など、何かしらの指標は作れるはずです。 せっかくリニューアルするのですから、何か改善したという証拠、データが残ると良いですよね。

ターゲット層

次は「ターゲット層」です。 御社のサービスを利用するターゲット顧客を具体的に記載していただくことで、制作会社も「どういった方々に向けてリニューアルすれば良いのか」が明確になり、アイデアも出しやすくなります。

サイト種別

「サイト種別」では、ざっくりとどんな目的のサイトなのかを教えてください。 これは複数選択していただいて構いません。 例えば、「コーポレートサイト」「採用サイト」「商品サービスサイト」「ランディングページ」「ECサイト」「オウンドメディア」、その他何かあれば記入してください。

現行URL一覧

「現行URL一覧」は、もし現在運営しているサイトがあれば、そのURLを記載する項目です。サンプルとして1、2、3と書けるようにしていますが、複数のサイトを統合したい場合は複数記入することになりますし、1つのサイトのリニューアルであればURLを1つ書いていただければ結構です。

想定ページ数

「想定ページ数」についてですが、もし具体的なページ数をイメージできているようでしたら、記載してください。 弊社ではページ数よりもページ全体の情報量、つまりページボリュームを重視して見積もりを作成することが多いので、ページ数を書いていただいても正直なところ参考程度にはなりますが、ページ単位で見積もりを出す業者もいますので、そういった業者に向けては記載しておくと良いでしょう。

イメージしているWebサイト

そして、「イメージしているWebサイト」。 お問い合わせをいただく際に、「こんな雰囲気のWebサイトを作りたいんだ」という具体的なイメージをお持ちの方もいらっしゃいます。 美容院で「こんな髪型にしたいです」と写真を見せるような感覚ですね。 あらかじめイメージしているサイトがあれば、そのURLを提示していただくと、話がスムーズに進みます。

企業情報を伝える

次に、ご相談いただく企業様の情報について詳しく書いていきましょう。

基本情報

「会社名」「担当者名」「事業内容」「部署・役職」「会社の所在地」「会社のURL」を記載してください。 特に会社のURLは、リニューアルしたいサイトのURLと会社の公式サイトのURLが異なる場合に有効ですので、念のため記載しておくと良いでしょう。

企業規模など

「企業規模」として、何名くらいの会社なのかも教えていただけると助かります。 あとは「設立年数」や「業界」も、事業内容と少し重複するかもしれませんが、ご記入ください。

自社の強み

ここからが特に重要です。「自社の強み」です。 特に集客を意識したホームページ制作の場合、他社と比較してどのような点を打ち出していくべきか、私たち制作会社も知っておきたいので、書けるだけ多くの強みを書き出していただけるとありがたいです。 ここでは例として学習塾を想定した記入例を挙げていますが、例えば「独自の学習管理システムがある」「オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド学習が可能」といった、自社ならではの強みをいくつも書いていただけると嬉しいです。

競合他社

次は「競合他社」です。 どのような企業にも、ほとんどの場合、競合する企業が存在すると思います。 その競合企業の社名を具体的に書いていただいても良いですし、URLでご記入いただいても構いません。

ホームページ制作の発注経験

最後に「ホームページ制作の発注経験」についてです。 これは制作会社側として、ぜひ知っておきたい情報です。 初めてホームページ制作を発注されるお客様には、専門用語をできるだけ易しい言葉に置き換えてご説明したいと考えています。 一方で、過去に発注経験があり、担当者様もWeb制作やマーケティングに普段から携わっている方であれば、それに合わせたご説明をさせていただきたいと思っています。 ですから、初めてなのか、以前に発注経験があるのかをご記入いただけると、制作会社としては非常に助かります。

技術要件・制作要件を整理する

続いては、技術的な側面や制作に関する細々とした確認事項を記入していく「技術要件・制作要件」の項目です。 今回初めてリニューアルの担当になった方にとっては、もしかすると社内の色々な部署の方に確認していただく必要が出てくるかもしれません。 それも大変だとは思いますが、書ける範囲で結構ですので、ご記入いただけるとありがたいです。

業務制作範囲

まず一つ目が「業務制作範囲」です。 今回、制作会社に依頼したい業務が具体的に何になるのかを明確にします。 「新規で作りたい」のか、「リニューアル」なのか、「部分的な請負」なのか、「保守運用のみを依頼したい」のか、といった点です。 さらに細かく、「デザインのみを依頼したい」のか、プログラミング的な作業、つまり「コーディングだけを依頼したい」のか、「既にホームページはあるけれどCMSを実装したいだけ」なのか、といったこともあります。 もしくは、特定のコンテンツ、例えば「SDGsの特設ページを作りたい」「何周年記念の特設ページを作りたい」といった場合は「コンテンツ制作」となりますし、「移行したいWebデータがある」場合は「コンテンツ移行」にチェックを入れてください。 「サーバー管理だけ依頼したい」方は「サーバー管理」になります。 このように、委託したい業務範囲にチェックを入れてください。

サーバー契約情報

次は「サーバー契約情報」です。 今運営されているリニューアル対象のサイトや、新規制作の対象となるホームページに対して、サーバーがすでにあるかどうかの確認になります。 もしサーバーがあるのであれば、どこのホスティングサービスやレンタルサーバー会社を利用しているのか、情報があると非常に助かります。 レンタルサーバーによっては、例えば「Wordpressを入れたい」とおっしゃっても、そのレンタルサーバーがWordpressに対応していない、なんてことも稀にですがあり得ます。 ほとんどないケースではありますが、ご記入いただけると幸いです。 これを記入していただく意図としては、例えば何か新しい機能を実装したいとなった時に、「PHPのバージョンは何ですか？」と制作会社から聞かれても、正直わからないことが多いと思うんです。 ですから、どこのサーバー会社か、可能であれば契約しているプラン名まで教えていただけると、こちらで調べて「それは実装できますね」「これは難しいですね」といった確認ができますので、事前に書いておいていただけると大変助かります。

ドメインの取得状況

次に「ドメインの取得状況」です。URLのことですね。 そのドメインが既にあるのか、新規制作の場合はまだドメインすら取得していない場合もあると思いますので、そのあたりの状況をご記載ください。

利用中のCMS

「利用中のCMS」について。これは主にリニューアルの場合に関わってきます。 現在Wordpressが入っているとか、Movable Type (MT) が入っているけれど次はWordpressにしたい、といったご要望があるかと思いますので、今使っているCMSがあれば、そちらをご記入ください。

利用中のプラグイン（WordPressの場合など）

これも主にWordPressの場合ですが、既に例えば予約システムが導入されていて、それがWordPressの特定のプラグインを利用している、といったケースがあります。 そういう場合は、どのプラグインを利用しているのかも、あらかじめこちらで把握しておきたいので、ご記入いただけると助かります。

解析系タグ

次に「解析系タグ」です。 主にGoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーが導入されているかどうかですが、時々、珍しい解析タグが入っていることもあります。 そちらの有無も、もし分かればご記入ください。 「入っているかどうかわからない」というお客様も結構多いですね。 その場合は「わからない」と書いていただければ大丈夫です。 もし分かる場合は、コンバージョン設定がされているか、そして、どういったアクションがコンバージョンとして計測されているかもご記入いただけると、リニューアル時の設定ミスが少なくなると思います。

その他必要なタグの連携

その他にも、必要なタグの連携があれば教えていただきたいです。 代表的なものとしては、SalesforceのようなCRM（顧客管理）系のタグが埋め込まれているとか、そういったものもあらかじめご記入いただけると、リニューアル時にタグの貼り忘れがなくなるので、ぜひご記入ください。

納品方法

「納品方法」ですね。 これは希望する納品方法を記載していただく項目です。 例えば、自社のサーバーのセキュリティが非常に厳しくて、制作会社ですらアクセスするのが難しい場合、「ファイルだけ納品してほしい」といったご要望があるかもしれません。 会社によって希望する納品方法が異なると思いますので、指定があればご記入ください。

対応デバイス

次に「対応デバイス」です。 ほとんどの場合、今後はスマートフォンを含めた全てのデバイスに対応してほしいと思われるでしょうが、一応、もし特別なご希望があれば記入してください。

デザインについて

「デザインについて」もご希望を伺います。 「フルオーダー」で、御社のためだけのオリジナルデザインが良いのか、それとも「セミオーダー」で、既存のテンプレートを少しカスタマイズする形でコストを抑えたいのか、あるいは「完全にテンプレート」を利用して、もっと安く仕上げたいのか、ご希望をご記入ください。

提供可能素材

これも結構重要になる、「提供可能素材」です。 テキスト原稿や写真、ロゴなど、ご用意いただける素材がある場合は、具体的に記載してください。 これがあるかないかで、制作の進め方や費用も変わってきます。

コンテンツの移行

次は、結構忘れがちな要件なのですが、「コンテンツの移行」です。 分かりやすい例で言うと、過去のお知らせ記事などですね。 これまで何年にもわたってお知らせを更新してきたけれど、それを新しいサイトに移行するとなると、移行作業の手間が実は結構かかるんです。 ですから、既存コンテンツを新サイトに移行したいかどうかも、ご記入をお願いします。

テスト環境の用意

最後が「テスト環境の用意」についてです。 例えば、いきなりガラッと新しいホームページに切り替えて、その新しいホームページにエラーが多かった場合、お客様にもご迷惑をおかけしてしまいますよね。 それを防ぐために、まず「テスト環境」と呼ばれる、関係者しか見ることができない場所でリニューアル後のホームページを立ち上げ、そこで問題なく動作するかどうかを確認した後、いよいよ本番環境にリニューアルするというのが、安全な進め方です。 そのためのテスト環境の用意が可能かどうかも、もし分かればご記入いただきたいと思います。

機能要件をリストアップする

次は「機能要件」です。ホームページに必要な機能について、どんどんチェックを付けていってください。

搭載したい機能

「お問い合わせフォーム」はもちろん、「会員機能」や「サイト内検索」、あるいは「アニメーション」や「予約機能」、「ダウンロード機能」など、様々な機能が考えられます。 その他にも、「シミュレーターツールを作ってほしい」といった具体的なご要望もあるかと思いますので、機能面で何かご要望がある方は、こちらに細かく記入していただければと思います。

多言語対応について

次は「多言語対応」です。 昨今では、特にインバウンドの影響もあって、「英語版サイトを作ってください」というお客様が増えている印象があります。

多言語対応の要否と対象言語

そういった方は、多言語対応が必要かどうか、そしてそれに対してどの言語まで必要なのかを記載してください。 特に中国語の場合は繁体字と簡体字など複数ありますので、そこもきちんと書いていただけると助かります。

翻訳の担当

さらに、その翻訳を誰がするのか、という問題もあります。 社内に翻訳できる方がいらっしゃるのでしたら、翻訳済みのテキストを提供していただいても良いですし、制作会社に翻訳まで任せたい場合は、費用にも影響してきますので、こちらにその旨を記入してください。

セキュリティ要件の確認

続いてはホームページの「セキュリティ」に関する要件です。 これも少し専門的な内容になりますので、分かる範囲で結構です。

SSL証明書の要否

まず一つ目が「SSL証明書の要否」です。 SSL証明書というのは、すごく簡単に説明すると、URLが通常「http://」で始まりますが、このhttpの後に「s」を付けて「https://」にすることで、通信を暗号化しセキュリティを高めることができる仕組みです。 この証明書を導入するかどうかが一つ目のポイントです。

アクセス制限の必要性

二つ目が「アクセス制限の必要性」です。 例えばCMSを導入してホームページを運営する場合、管理画面にログインできるIPアドレスを特定のIPアドレスのみに制限するなど、社内でそういったセキュリティの要件が決まっている場合は、ご記入ください。 特に決まっていなくても、今後そうしたいという希望があれば、そのように書いていただければと思います。

セキュリティ監査の必要性

次に「セキュリティ監査の必要性」です。 ホームページ公開前に脆弱性診断を行いたいかどうか、ということです。 当然、何かしら対策をすればするほど費用は上がりますが、社内的に実施することが決まっているものであれば、記載していただく必要があります。

アクセシビリティ対応について

次は「アクセシビリティ対応」です。 これもあまり聞き慣れない方が多いのではないかと思います。 どのような方でもWebサイトを快適に閲覧できるようにするかどうか、ということをお聞きしています。 具体的には、いわゆる健常者以外の方、例えば目が見えない方であったり、耳が聞こえない方でも、Webサイトの情報を受け取ったり、操作したりできるように配慮するかどうか、ということです。 そういった方々にも使いやすいWebサイトにするかどうか、そして、対応する場合には準拠する基準や対応レベル（厳しさの度合い）もいくつかありますので、それらもご記入ください。

保守・運用計画を立てる

続いては「保守・運用計画」に関する部分です。 ホームページが完成した後、どのようなサポートを求めるのかを明確にします。

更新頻度

一つ目が「更新頻度」です。 ほとんど更新するものがない場合も、その旨を記載していただきたいですし、結構頻繁に更新がある場合は、どういった内容のものを、どの程度の頻度で更新するのかも含めてご記載いただければと思います。

更新担当者

次に「更新担当者」です。 その更新作業を制作会社に依頼したいのか、それとも社内で行うのか。 ここも見積もりに影響する場合がありますので、ご記入ください。

バックアップ体制

「バックアップ体制」について。 Webサイトで何かトラブルが起こった際に、元の状態に復元できるようにデータを取っておくかどうか、そして、それをどの程度の頻度で取ってほしいのか、希望があれば教えてください。

障害時の対応

そして「障害時の対応」です。 これも、ホームページが閲覧できない状態になってしまったとか、お問い合わせができない状態になっているとか、何かトラブルが起きた際に、どういった対応を求めるのかということです。 これも当然、その会社のためだけに常に監視するような体制を取れば、その分人件費がかかり、費用も上がってきます。

予算・納期を明確にする

ここは、どの会社様も比較的書きやすいポイントだと思います、「予算・納期」です。

予算総額・月額費用・希望予算

まず「予算総額」ですが、これについては3つ目の「希望予算」まで合わせて見ていきましょうか。 「予算総額」「月額費用」「希望予算」と項目を設けました。 まず、予算の総額です。例えば、月額で広告を運用したいとか、オウンドメディアの運用代行を依頼したいといった場合、初期費用として500万円、そして1年間を通して月額いくらかで、合計700万円にしたい、といったケースがあるかと思います。 そういった内訳を書き分けていただきたいので、「予算総額」と「月額予算」という書き方をしています。 このあたりも自由に書いていただければと思いますが、概念としてはそういう意味で項目を分けています。 次に「希望予算」ですが、例えば予算の上限は500万円だけれども、できれば300万円で実現してほしい、といった場合ですね。 MAXでこれくらいは出せるけれど、それは提案次第で、可能であればこれくらいの金額でお願いしたい、というのを書き分けていただくために、希望予算という項目も設けています。

見積り希望時期・納期

次が「見積り希望時期」、つまり、いつまでに見積もりを提出してほしいのか。 そして、実際に契約することになった後、どれくらいの納期で考えているのかも書いていただきたいですし、さらに納期に関して補足があれば、それも記載してください。 例えば、「いつまで、と明確には決まっていないけれど、大体この時期までに欲しい」といった、ふんわりとした書き方をする際に、補足欄を使っていただければと思います。

希望する支払い方法

最後が「希望する支払い方法」です。 「頭金一括」なのか、「完成後に一括」なのか、「クレジットカード払い」なのか、「現金払い」なのか、会社によって色々事情が違うと思います。 もし希望の支払い方法があれば、事前にご記入ください。 また、会社の経理のフローとして、「完成後、翌々月でないと支払えません」といった規定がある場合もあると思いますので、そういった場合は、会社の支払いフローについてもご記入いただけると助かります。

商談情報・決裁情報を共有する

続いては、「商談情報」と「決裁情報」の2つを一気に紹介します。

商談希望方法・時期・連絡手段

まず「商談情報」から見ていきますと、こちらは打ち合わせの希望方法です。 「オンラインミーティング」が良いのか、それとも「対面しか受け付けていない」のか。 あるいは、対面もオンラインも難しく、「電話かメールでお願いします」という場合は、こちらにご記入ください。 さらに「商談希望時期」として、プロジェクトが動き出したけれど、ちょっと今週と来週は忙しいので、再来週から打ち合わせを開始したい、といったご要望があれば、記入が必要だと思います。 あとは「希望する連絡方法」です。普段の細かいやり取りに関しては、メールが良いのか、電話が良いのか。 その他、Chatworkなど、使いたいコミュニケーションツールがあれば、そちらもご記入ください。 最後に「連絡方法についての補足」として、「平日の10時から18時（動画内では8時でしたが、一般的に18時が多いので修正）しか対応できません」とか、逆に「休日も対応可能です」という方もいらっしゃると思うので、そちらもご記入ください。

決裁情報

さらに「決裁情報」になるのですが、これは書いても書かなくても良い項目ではあります。 ただ、例えば、普段の打ち合わせレベルは担当者様が行い、最後のプレゼンテーションの時だけ決裁者が出てくる、といった進め方を想定している場合、「そういうつもりで打ち合わせに臨んでください」ということを事前に伝えておくと、制作会社側も対応しやすくなります。 ですから、決裁者の情報も可能であればご記入いただきたいと思います。 決裁権の有無や、決裁までの進め方についてご説明いただけると、例えば提案資料も、資料だけを見て内容が理解できるように作り込む必要があるな、とか、提案のレベル感も変わってきますので、書く方が親切ですし、御社にとってデメリットはないと思います。

競合状況を伝える

あとは「競合状況」として、既に契約中の会社が1社あって、そこから乗り換えようと悩んでいるのか、あるいは、現在取引している業者はなく、新たに例えば5社くらいで相見積もりを取って進めていこうと考えているのか、そういった競合に関する情報も教えていただければと思います。 個人的には、競合がいようがいまいが、ご提案する内容は変わりませんので、どちらでも構わないのですが、会社によっては結構気にするところもあるようです。 その場合は記入した方が、何度も同じことを聞かれる手間が省けますので、ここに書いておけば一回で済みます。

提案してほしい内容を明確にする

続いては、制作会社にRFPを提出した後、どのようなアクションを期待するのか、「提案してほしい内容」についてです。 ここに挙げているものが全てとは限りませんが、代表的なものはピックアップしてあります。

提案項目例

「現状分析」や「競合分析」（現状分析の中に競合分析が含まれることもありますが、競合だけを特に分析してほしい場合は「競合分析」ですね）。 あとは、「Webサイトの目標設定も提案してほしい」とか、「ターゲット設定も提案してほしい」といった場合もあるかもしれません。 その他、「サイトマップ」「サイトデザイン」「スケジュール」「見積もり金額」「制作会社の自社紹介」などをピックアップしておきましたので、必要なものにチェックを入れてください。

提案に関する留意点

会社によって内容が分かれるかなと思うのが、まず「分析」は別料金という会社はありますね。 契約前の「デザイン制作」が別料金の会社もあると思います。 あと、「お見積り」も別料金ということはありませんが、要件によっては概算となってしまう場合もあるかと思います。 こういった点は留意しつつ、ご希望を書いていただければと思います。

法務事項の確認

これも意外と見落としがちな事項かと思いまして、記載させていただきました、「法務事項」です。

著作権・秘密保持契約など

代表的なものでいうと、「著作権」の問題などがあります。 あとは、ここには具体的に書いていませんが、万が一紛争になった場合に、どの地方裁判所を第一審の管轄とするか、といった希望があれば記入しておくと良いでしょう。 ということで、契約に関する事項や、このRFP自体の取り扱いについてです。 まだNDA（秘密保持契約）を結んでいない状態で、まず相談しているというケースも考えられます。 その際に、自社の強みや競合他社の情報などを公開してしまうと、秘密保持契約を結んでいないために情報が漏洩する可能性を心配される方は、その懸念を事前に書いておいていただければと思います。

その他留意点

その他にも何か留意点があれば、記入してください。 例えば、「プライバシーマークを取得しているので、その規定を遵守してください」といった具体的な指示があれば、ここに書いていただければと思います。

その他：制作会社にアピールしてほしいポイント

最後に、「制作会社にアピールしてほしいポイント」があれば、たくさん記入していただければと思います。

アピールポイントの例

記入例として挙げているのが、「例えば同業界での制作実績を教えてください」だったり、あとは「保守運用体制の詳細も教えてください」とかですね。 大体、経験上、制作会社にPRしてほしいポイントとして求められるのは、「デザイン力」や「集客実績」、あとは「セキュリティ体制」といったあたりがほとんどではないかと思いますが、何か他にもあればご記入ください。

まとめ

以上が、このRFP作成の解説のために、弊社が普段お客様にお伺いするようなことをあらかじめまとめたRFPの項目一覧になります。 もし、このお話を聞いて、「あ、この項目は見落としていたな」というものが一つでもあれば、作成した甲斐があったなと感じます。 このRFPのテンプレートはダウンロードできるようにしておきますので、もし1から作るのは大変だと感じる方は、こちらを利用していただければ良いかなと思います。

次回は、このRFPを提出した後、制作会社から提案資料や見積もりが返ってくると思いますが、そこからどういった基準で制作会社を選んでいくのか、その見極めポイントについてご紹介していきたいと思いますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。