ネットに潜む巧妙な罠!あなたを騙す「ダークパターン」とは?

どうも、ウェブ企画パートナーズの竹内です。

今回は「ダークパターン」について解説していきたいと思います。
普段から皆さん、インターネットで服や日用品など、様々なものをネットで当たり前のように購入してらっしゃると思うんですけど、実はそこには皆さんを騙すようなダークパターンを利用したWebサイトが、時々というか、年々増えているんです。

この記事を読んでダークパターンについて知っていただくと、「これ、ダークパターンかもな」「ちょっと気をつけよう」と、ご自身の身を守ることにも繋がるのかなと思いました。私たちはWeb制作会社という立場から、ダークパターンとはどういうものがあるのかを皆さんに共有していきたいと思います。

そもそも「ダークパターン」って何?

まず、「ダークパターンとはなんぞや?」というところからご紹介したいと思うんですけど、平たく言うと、ユーザーを巧みに騙して意図しない行動を促すような、悪意のあるデザインのサイト設計のことをいいます。

ここでいう「行動」とは、ショッピングでの購入や会員登録といった、Webサイトが目的とするゴールのことです。本来ならしなくてもいいような行動を、サイトの流れのままに誘導されてついやってしまう、そういったWebサイトのデザインを「ダークパターン」と呼んでいます。

なぜ企業はダークパターンを使うのか

では、なぜ企業はこのような手法を使うのでしょうか。それは、企業としては一回のショッピングなどで、なるべく多くの利益を上げたいという考えがあるからです。

しかし、実はそういった手法はユーザーの信頼を損なってしまい、短期的な利益に留まってしまうので、長い目で見ればしない方がいいんです。それでも、「どうしても短期的に今すぐ売上を回復させたい」といった、良からぬ意思が働いてしまった結果、ダークパターンを実装してしまうWebサイトも存在します。

これによって、ユーザーは知らないうちにお金を失ってしまったり、場合によっては個人情報を抜き出すといった、非常に悪質な手口の被害に遭ってしまったりするわけです。

では具体的に、最近はどのようなダークパターンがあるのでしょうか。全てではありませんが、代表的な事例を挙げながら紹介していきたいと思います。

要注意!代表的なダークパターンの手口

ここからは、代表的なダークパターンをいくつかご紹介していきます。

1. スニーキング(こっそり追加)

一つ目が「スニーキング」です。カタカナなので分かりづらいかもしれませんが、これはECサイトのカートで決済をするときの手口です。

何か商品を買おうとカートに入れ、購入ボタンを押し、最後の確認画面に進んだとします。その時に、カートに追加していないはずのものまで、こっそり商品リストに入れられているというのが「スニーキング」です。

「自分がカートに入れたものしか買ってないだろう」と思って、確認画面をよく見ずに決済してしまうことはありませんか? さすがにAmazonのような信頼性の高いサイトなら大丈夫かもしれませんが、そうでないサイトではスニーキングをされている可能性もゼロではありません。

どんな商品を購入するのか、そして合計金額はいくらなのか、その金額で間違いなく決済されるのかを、きちんと確認する必要があります。

2. ローチモーテル(ゴキブリホイホイ)

二つ目は「ローチモーテル」です。これは直訳すると「ゴキブリホイホイ」的な意味になります。

皆さんもご経験があるかもしれませんが、登録はすごく簡単なのに、いざ解約しようとすると、その手続きがなかなかできない、そんなサービスに加入してしまったことはありませんか? これもダークパターンの一つです。

今でこそ、こういった手法はSNSなどで批判されることもありますが、それでもまだまだ存在します。メジャーなサービスであれば、炎上して「改善します」となるかもしれませんが、マイナーなサービスだとそれほど騒がれずに見過ごされてしまうかもしれません。

ユーザーとしては解約できないのは非常に大変なので、できればインターネットで何かを契約する前には、どういう形で解約ができるのかをしっかり調べてから入会することをおすすめします。

皆さんの心理として、入会したい気持ちが高まっている時は、当然そのサービスに関するメリットなどを調べると思うんですけど、退会方法に関しては意外と調べなかったりするものです。退会のルートや方法についてもきちんと調べた上で入会するようにしましょう。

3. 隠れコスト(後出しの高額手数料)

三つ目は「隠れコスト」です。これは先ほどのスニーキングと少し似ていますが、商品をこっそり追加するのではなく、実際の決済完了画面に進んだタイミングで、想定外に高額な手数料や送料が追加表示される手口です。

「こんな送料を取るの?」「こんな手数料がかかるの?」といった費用が、決済完了の直前の画面になって初めて表示されるのです。

そこまで案内されずに、カートに入れて決済の手前まで進んでしまった労力を考えると、「もうちょっと高いけど、買っちゃうか…」と、つい支払ってしまうこともあると思います。これも金額の大小ではなく、これまで明かされなかった、本当は「ウッ」となるような不都合な情報を隠しておくことで、ユーザーにそこまでの行動をさせてしまう巧妙な手口です。

これも一つ目のスニーキングと同様に、「あれ、思ったより金額が高いな」ということがないように、決済前の確認画面をしっかり見るようにしてください。

4. あおり(羞恥心を利用した誘導)

四つ目は「あおり」です。具体的にどういう風に煽るかというと、何かを購入しようとした時などに、「ちょっと待った!」といったメッセージが画面にポップアップで出てくることがあります。

そこに書かれているメッセージが、例えば「わたしは、お得な情報を受け取りません【はい】/【いいえ】」といったものです。

「お得な情報を受け取らない」ことを肯定する「はい」って、何かちょっと違和感を感じませんか? このように、ユーザーの羞恥心を煽るというか、「さすがにお得な情報だったら受け取りたいな」という気持ちにさせて、「はい」を押させるような誘導もダークパターンの一つです。

巧みなマーケティングと言ってしまえば聞こえはいいですが、違和感のあるメッセージでユーザーの行動を促すものには、騙されている可能性もあるので少し注意してみてほしいなと思います。

5. 偽の緊急性(偽のタイムセール)

五つ目が「偽の緊急性」です。これはAmazonなどでも時々見かけますが、「タイムセール終了まで残り〇分」といったカウントダウン表示がそれにあたります。

しかし、本当はいつサイトを訪れても、常に「残り何分」と表示されている可能性もあるのです。これはまさにダークパターンです。

「残り2分」と言われたら「今買わないと!」と思ってしまったり、「在庫残り1点」と書かれていると「他の人に買われてしまう」と焦ってしまったりしますよね。このように、偽の緊急性でユーザーを騙して、冷静な判断ができない状況で意図しない行動をさせてしまうのも、ダークパターンの一つになります。

6. 強制の継続(自動有料プラン移行)

六つ目が「強制の継続」です。これも経験がある方が多いのではないでしょうか。

例えば、「無料でこのプランに入会すると、ゲームで使える300ポイントがもらえますよ」といったキャンペーンがあり、「無料ならやろう」と契約したとします。しかしその後に、実は無料期間は10日しか設定されておらず、10日目以降は強制的に有料プランに移行してしまう、というものです。

「無料で入会できるのに、なんでクレジットカードの情報を入力させられるんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか? あれはまさに、無料期間終了後に強制的に課金させるためのダークパターンの一つなのです。

もちろん、「10日後に自動的に有料プランになりますよ」ということが大々的に書いてあれば問題ないのですが、ユーザーに気づかれないように「こっそり」とそういった仕組みを導入しているのが、良くないダークパターンと言えます。

7. おとり商法

最後は「おとり商法」です。これは、本当に売りたい商品の隣に、それよりも魅力的な「おとり」の偽商品を並べておき、そのおとり商品が売り切れていることを見せて、「仕方がないから、こっちの商品を買うか」と、本来売りたかった商品へと誘導する手法です。

例えば、すごく魅力的な商品を購入しようとする直前で「売り切れました」と表示させ、その直後に別の類似商品を見せる、といった流れが考えられます。こういったおとり商法もダークパターンの一種ですので、もしかしたら遭遇する方がいるかもしれません。

まとめ:ダークパターンから身を守るために

以上が、ダークパターンがどういうものなのか、そしてその代表的な手口の紹介でした。

これらのダークパターンから身を守るために意識していただきたいのは、基本的には「きちんと確認をすること」、そして「慌てて買わないこと」です。

サイトに「もう残り1分!」などと表示されても、きちんと落ち着いて、混乱したまま買わないということを意識するだけで、快適なインターネットライフが送れるかと思います。ショッピングだけでなく、サービスの入会なども同様です。

やはり、前提としてこういった手口の知識を持っておくと、「これ、もしかしてあのことかな?」と気づくことができるかと思います。「オレオレ詐欺」も、その手口が世の中に広く知られたことで、多くの人が警戒できるようになったのと同じですね。

今回は、Web制作会社という立場から、皆さんに注意喚起として「こういうものがありますよ」というのをご紹介させていただきました。