
LTV
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Webマーケ業界必須の3文字「LTV」
Webマーケティング系の業界にいらっしゃる方なら、LTVというこの3文字のアルファベット、ほぼ必ずと言っていいほど耳にしますよね。 でも、「それって一体何なの?」と思っている初心者の方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、この記事ではLTVについて、これさえ押さえておけば大体会話についていけるよ、というところまで分かりやすく解説していきたいと思います!
LTVって何の略?
まず最初に、LTVが何の略かということからお話ししましょう。 これはLife Time Value(ライフタイムバリュー)の略になります。
「生涯顧客単価」ってどういうこと?
日本語に訳すと「生涯顧客単価」と呼ばれています。 ビジネスの世界にいると、「客単価いくらなのか?」みたいな会話って聞いたことありませんか? あれは「平均顧客単価」と言って、例えば居酒屋さんで夜ご飯を食べると、大体一人当たりのお客様が3,000円から5,000円ぐらいの費用を払ってくれますよ、というようなものを指しますよね。
でも、LTVは「生涯」顧客単価なんです。 「生涯」って言うと、ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんし、実際、内容を聞いても「うーん、ちょっと大げさじゃないかな?」と感じる部分もあるかもしれません。
LTVが示す「顧客一人がもたらす利益」
じゃあ、このLTV、一体何を言っているかというと、先ほどの居酒屋の例で考えてみましょう。平均顧客単価は、1回お店に行った時に顧客が支払う費用の平均ですよね。 LTVはそれとはちょっと違います。
分かりやすく言うと、サブスクリプション系のサービスでよく出てくる考え方なんです。 例えば、Netflixに加入するとしましょう。1年とか2年とか、長い方はずーっと課金し続けると思うんですけど、中にはすぐやめちゃう方もいますよね。 「お試しだけやって、やっぱりやめよう」とか、「3ヶ月くらい見たいものを見たら一旦解約して、また見たいものが出た時に再加入しよう」とか、本当にいろんな加入のされ方があると思います。
でも、企業側、例えばNetflixは、大体一人加入すると平均してどれくらいの期間そのサブスクを利用してくれるかというデータを当然持っているわけです。
そこで重要になるのがLTVです。お客様1人を加入させることができれば、その一人の顧客が企業にどれくらいの利益をもたらしてくれるのか、それを測るための指標が「生涯顧客単価」、つまりLTVになるんです。
LTVの計算方法って?基本的な考え方
では実際に、そのLTVを指標として利用する時に、どういう計算をするのか、その考え方について見ていきましょう。
LTVは基本的に、平均購入単価 × 購入頻度 × 継続期間で計算されます。
まず「平均購入単価」、これは1回あたりいくら支払うか、ということです。 Netflixもいろんなプランがありますけど、仮に例えば1,000円だったとしましょう。
次に「頻度」ですね。 Netflixの場合は月額課金制ですので、月に1度が購入頻度になります。 他にも、例えばサプリメントや化粧品といったサブスクのサービスだと、月に2回購入するかもしれないですし、この頻度はサービスによって違ってきます。
そして「期間」、あとどれくらい継続してくれるか、というところです。 ここがデータに基づいて判断される部分ですね。
Netflixを例にLTVを計算してみよう!
仮に、Netflixの場合、平均購入単価が1,000円で、頻度は月に一回だとします。 そして、データから、だいたい皆さん2年から3年は加入してくださると分かったとしましょう。 じゃあ、仮に平均継続期間が2年だとすると、NetflixのLTVはいくらになるでしょうか?
1,000円(平均購入単価)× 月に1回(頻度)なので、1年で12,000円ですね。 これが平均して2年間続くということなので、12,000円 × 2年 = 24,000円。 つまり、NetflixのLTVは24,000円ということになります。 これは、1回加入さえしてもらえれば、平均してこれくらいの費用を払っていただけるだろう、という見込み額ですね。
LTVってどうやって活用するの?その利用イメージ
このLTV、LTVとよく言われるのは、なぜそんなに利用されるのでしょうか?その利用イメージについて解説していきたいと思います。
「初回〇〇%OFF」ができる理由
例えば、サプリメントなんかで、「初回50%OFF」とか、多いものだと「初回90%OFF」とか見たことありませんか? 極端なものだと「初回無料」なんていうのもありますよね。 「初回無料でご利用いただけます。2ヶ月目からは課金されますので、解約したい人はすぐ解約してくださいね」みたいな。
なぜあんなことができるのか、考えたことありますか? あれ、実はLTVを考えているからこそできる施策なんです。
サプリメントの例でLTV活用を考えてみる
具体的にサプリメントで計算してみたいと思うんですけど、例えば1個あたり大体3,000円の商品だとしましょう。 この3,000円の中には、原価や人件費など、いろいろかかっています。 仮に、利益は1,000円ぐらいで、残りの2,000円が原価や経費だとします。 利益は会社にプールしないといけないので、利益だけでは当然成り立ちません。
それに、広告をかけないと商品は売れませんから、そのうち広告費として1,000円かける、そして残りの1,000円を利益として会社に残そう、と例えばそういう計算をしたとしますよね。
LTVが広告費の考え方を変える!
じゃあ、この3,000円の商品を売るためにかけられる広告費は、本当に1,000円ぐらいなのでしょうか? 実はもっと多くてもいいんじゃないか、というのがこのLTVの考え方なんです。
サプリメントの顧客データを見ていると、1回購入してくださって、無料だけで終わっちゃう方もいれば、もうずっと10年ぐらいに渡って利用してくれる人もいるわけです。 でも、全体をならしてみると、皆さん大体1年くらいはそのサプリを買ってくれることが分かったとします。
1回あたりだと3,000円の商品ですが、これが1年間、つまり12回購入されるとすると、3,000円 × 12回 = 36,000円。あれ、先ほどのNetflixの例で期間を2年として24,000円と話していましたが、もしこのサプリの平均継続期間が例えば2年だとしたら、3,000円 × 24回 = 72,000円ですね。(動画内では「24,000円」と金額を言い間違えていましたが、文脈から継続購入による総売上をLTVとして捉え、その範囲内で広告費を検討するという主旨は変わりません。)
重要なのは、顧客一人が生涯で生み出す価値(LTV)を考えれば、もっと広告費を使えるんじゃないか?という発想です。
CPAは本当にそれで見合ってる?
Web広告の世界では、リスティング広告だったり、TikTokだったり、いろんな広告が増えてきましたが、そこでよく言われるのが「費用対効果(CPA)」です。 お客様一人を獲得するのにかけられるコストはここまでだね、というのを「CPAが合ってるかどうか」という言い方をします。
でも、そのCPA、実は最初の1回の購入で考える1,000円じゃなくて、LTVで考えたもっと大きな金額、例えば先ほどのサプリでLTVが仮に24,000円だとすると、その範囲内で考えてもいいんじゃない?ということです。 だから、広告費をもっとかけても、長い目で見れば元は取れるよね、という考え方ができるんです。
そうなると、例えば初回を無料にしちゃっても、LTV全体で見れば全然割に合うよね、といった判断ができるようになる。 これが、LTVという概念が重要と呼ばれる所以なんです。
LTVが特に活用されるビジネスモデル
LTVは、主にサブスクリプション系のビジネスモデルや、あとは定期購入系のビジネスモデルでよく活用されます。 定期的に買うであろうもの、消耗品ですね。 先ほどサプリの事例を出しましたが、もっと身近なもので言うと、シャンプーとかそうですよね。 化粧水とか、食器用洗剤とかも、毎回同じものを買うことが多いと思います。
たまにCMを見て、「こっちも試してみようかな」と言って、他の商品に浮気することもあると思うんですけど、それがちょうどLTVが切れる期間、ということになるわけです。 このLTV、つまり顧客が継続してくれる期間が長ければ長いほど、そのサービスや商品はとても素晴らしいということになりますね。
まとめ:LTVの基本を押さえておこう!
以上が、LTVについての解説でした。
もちろん、厳密にはもっと活用方法があったり、サービスによって計算方法を変えた方がいいよね、とか、そういうことはあるかもしれません。 でも、大体これぐらい覚えておいていただければ、マーケティング関連の打ち合わせに出た時に、「あ、LTVですね、分かります」みたいな顔をして、自信を持って打ち合わせに出られると思います。
ですので、この記事でお話しした内容をしっかり覚えていただけるといいかなと思います。
またこういった解説をしていきたいと思いますので、もし「良かったな」と思ってくださった方は、ぜひチェックしていただければと思います。
それでは、ありがとうございました!