目的・役割を決め必要なページとコンテンツについて考える
ホームページを作成する際、最も重要なステップの一つが「目的と役割の明確化」です。
- ホームページが古くなってきたから
- ホームページがうまく活用できていない
なんとなく「リニューアルしないとなぁ」と思ってはいるものの、どのようにリニューアルを検討しなければならないのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ホームページ制作を成功させる上で大切なのは「目的」を定めることです。「あれもしたい、これもしたい」では、優先順位が付けられなくなってしまい、うまくいきません。
そこで今回はホームページ制作の目的に定め方についてご紹介していきます。
主要な目的・役割と必要なページ・コンテンツ
会社案内
名刺や会社案内パンフレットの代わりのような目的です。
誰をターゲットとするわけでもなく、会社に興味を持ってくれた全ての人に対し、わかりやすく会社情報を取得してもらうことを目的としたホームページです。サービスや製品の紹介はもちろんですが、アクセスや電話番号などについてもわかり易く掲載されていることが重要です。
「集客やリード獲得はしなくてもOKで、社名で検索してきたユーザーだけがターゲット」といった場合は、この会社案内の目的に該当します。会社案内を目的としたホームページは例えば以下のようなページ構成となります。
情報の種類 | 内容 |
---|---|
サービス概要 | 提供するサービスの詳細説明 |
製品情報 | 取り扱っている製品の説明 |
業界実績 | 過去の実績や事例紹介 |
目指すビジョン | 会社の将来的な目標やビジョン |
企業理念 | 会社の基本的な考え方や価値観 |
社内文化 | 働きやすさやチームワークの紹介 |
社会貢献活動 | 会社が行っている社会貢献活動 |
販促
ホームページを通じて、特定の製品やサービスの販促活動を行うことを目的とするものです。一般的にはECサイトと呼ばれる種類のホームページであったり、ランディングページと呼ばれるホームページがそれに相当するでしょうか。
悩みや課題を持つユーザーに対し、必要な情報を提供し、最終的には購入をしてもらえるように工夫をする必要があります。代表的なコンテンツとしては以下のようなものです。
情報の種類 | 内容 |
---|---|
商品名 | 商品の名称 |
価格 | 商品やサービスの価格 |
商品説明 | 商品の特徴や利点の詳細説明 |
使用方法 | 商品の使い方や活用方法 |
画像や動画 | 商品のビジュアルやデモ動画 |
キャンペーン情報 | 特定商品の割引やクーポン |
顧客の声 | 実際の購入者からの感想や評価 |
リード獲得
販促目的の場合とは違い、直接ホームページから購入をしてもらうのではなく、まずはお客様と接点を持つことを目的とするホームページです。
お問い合わせや資料請求により、お客様の連絡先を収集し、オンラインやオフラインで商談を行った上、最終的にサービス導入をしてもらいます。また獲得した連絡先に対し定期的に情報を発信をすることで、顧客育成をすることも可能です。リード獲得の場合は、とくかく潜在顧客と接点を持つことが重要となりますので、様々な仕掛けを用意する必要があります。
フォームの種類 | 内容 |
---|---|
問い合わせフォーム | 商品やサービスに関する質問を受け付けるフォーム |
資料請求フォーム | 詳細な資料やカタログを請求するためのフォーム |
メールマガジン登録フォーム | 最新情報や特典を提供するメールマガジンの登録フォーム |
コンテンツの種類 | 内容 |
---|---|
ホワイトペーパー | 専門的な知識や業界の最新情報をまとめた文書 |
eBook | より深い知識や実践的なガイドを提供する電子書籍 |
ウェビナー | 専門家によるオンラインセミナーの参加申し込み |
要素の種類 | 内容 |
---|---|
ヘッドライン | 訪問者の興味を引くキャッチコピー |
サブヘッドライン | ヘッドラインを補足する具体的な説明 |
特典やオファー | 訪問者に提供する価値ある提案 |
CTAボタン | 行動を促すボタン(例:資料請求、無料試用など) |
店舗集客
店舗を利用してもらうためのホームページです。店舗に興味を持ってもらうこともそうですが、スムーズに来店ができるよう地図や住所などのアクセス情報も掲載しましょう。メディア掲載事例やお客様からの口コミ掲載も効果的です。
特に詳細に記載する必要のあるコンテンツとしては以下のようなものです。
情報の種類 | 内容 |
---|---|
店舗住所 | 店舗の所在地 |
営業時間 | 開店時間と閉店時間 |
連絡先 | 電話番号やメールアドレス |
駐車場情報 | 駐車場の有無や詳細 |
アクセスマップ | 地図や交通手段の案内 |
採用
求人についての募集要項を掲載することを目的とするものです。
それ以外にも、会社で提供している福利厚生やキャリアアップ制度、採用担当者や代表者からのメッセージなど、求職者が知りたい会社の情報について掲載します。
直接、採用についてのお問い合わせを目的とするよりも、他媒体(リクナビやマイナビ等)に求人掲載をした際に、より効果的となるよう自社に採用コンテンツを充実させておく企業が多いです。
最近はIndeedやGoogleしごと検索といった、自動でホームページの募集要項をクロールし、無料掲載してくれるサービスも人気となっていますので、採用もホームページの役割として、より重要となっています。
色々ありますが、採用に関するコンテンツの一例です。
情報の種類 | 内容 |
---|---|
募集職種 | 募集している職種の一覧 |
勤務地 | 具体的な勤務地 |
勤務時間 | 勤務時間やシフトの情報 |
給与 | 初任給や給与体系 |
福利厚生 | 社会保険や福利厚生の内容 |
コンテンツの種類 | 内容 |
---|---|
社員インタビュー | 実際に働いている社員の声 |
職場環境の紹介 | オフィスや働く環境の写真 |
企業理念 | 会社の基本的な考え方やミッション |
キャリアパス | 入社後のキャリアアップの例 |
プロセスのステップ | 内容 |
---|---|
エントリー | 応募フォームからのエントリー |
書類選考 | 履歴書や職務経歴書の選考 |
面接 | 一次面接、二次面接の流れ |
内定 | 内定通知と入社手続き |
フォームの項目 | 内容 |
---|---|
氏名 | 応募者の名前 |
連絡先 | 電話番号やメールアドレス |
履歴書の添付 | 履歴書や職務経歴書のアップロード |
志望動機 | 志望理由や自己PR |
質問の種類 | 内容 |
---|---|
応募方法 | 応募の手続きや必要書類について |
選考プロセス | 選考の流れや面接の回数 |
勤務条件 | 勤務時間や休日について |
会社情報 | 企業文化や福利厚生について |
認知拡大
世間の認知を上げるためにホームページを開設することもあります。複数の類似製品やサービスから自社のものを選んでもらう場合、認知が消費者の購買を大きく左右することがあります。
SNSや広告を利用し、ユーザーがさらなる情報を求めた場合の流入先としてホームページを用意しておくような場合もありますし、商品を欲しがるお客様の悩みに先回りして認知を促す方法もあります。(例えば、沖縄旅行に行きたいユーザーも最初から「沖縄」に目的が定まっているわけではなく、「国内旅行」について調べていくうちに「沖縄」にたどり着くといったこともありますよね。ですので先回りして国内旅行についてのホームページを開設し、沖縄旅行へ誘導するという方法です。)
例えば以下のような戦略を取る必要があります。
SEO対策の種類 | 内容 |
---|---|
キーワードリサーチ | 関連するキーワードを調査し、コンテンツに反映 |
コンテンツの最適化 | タイトルタグ、メタディスクリプション、見出しの最適化 |
内部リンク | 関連するページ同士をリンクで繋げる |
モバイル対応 | モバイルデバイスでの閲覧最適化 |
コンテンツの種類 | 内容 |
---|---|
ブログ記事 | 業界の最新情報や専門知識を紹介 |
ニュース | 会社の最新ニュースやプレスリリース |
イベント報告 | 参加したイベントやセミナーの報告 |
専門家のコラム | 専門家による見解やアドバイス |
ソーシャルメディアの種類 | 内容 |
---|---|
記事やイベント情報を共有 | |
短いメッセージで最新情報を発信 | |
視覚的に訴える写真や動画を投稿 | |
ビジネス向けの専門的なコンテンツを共有 |
プレスリリースの要素 | 内容 |
---|---|
タイトル | 目を引く魅力的なタイトル |
リード文 | 重要な情報を簡潔にまとめた冒頭部分 |
本文 | 詳細な情報や背景、引用 |
連絡先 | 追加情報や問い合わせ先 |
動画の種類 | 内容 |
---|---|
製品デモ | 製品の使い方や特徴を紹介 |
顧客の声 | 実際の顧客による評価や体験談 |
企業紹介 | 会社の歴史や理念を紹介 |
イベントレポート | イベントやセミナーの模様を報告 |
なぜホームページを作る目標設定をすると得をするのか
ホームページは様々な役割を果たしてくれる便利なツールですが、その便利さ故に、やりたいことを中途半端に実現してしまい、結果「何のためにホームページを作ったんだろう」となってしまうことがしばしばあります。我々はこのようなホームページを“器用貧乏ホームページ状態”と呼んでいます。
先ほど主要なホームページの目的・役割についてピックアップしましたが、目的・役割によって必要なコンテンツが大きく違うのがおわかりいただけたのではないでしょうか。
もちろん、我々ホームページ制作会社のディレクターがお客様からヒアリングし、お客様の目的を達成するためにはどのようなホームページが必要なのか決めていかなければならないのですが、そうはいってもディレクターはあなたの会社の人間でも無ければ、業界人でもありません。
まずホームページを何故作る必要があるのか、そしてホームページにはどのような役割を果たして欲しいのかを明確にし、その上でホームページ制作会社の意見を聞くことで、その目的がさらにハッキリしたり、新しい発見することができます。
日本企業の主なホームページ制作の目的
全国の企業がホームページ制作をした目的から見ていきましょう。総務省が提供する統計調査データである「通信利用動向調査(企業編)」に、ホームページの開設目的の推移が掲載されています。
このデータによると、ホームページ開設目的のほとんどが「会社案内、人材募集」となっており、続いて「商品や催物の紹介、宣伝」「定期的な情報の提供」と続きます。
※平成29年報告書
図引用:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05b2.html
最新データは2017年でそれ以降はホームページの開設目的が調査されていません。恐らく、ほとんどの企業がホームページを開設しており、目的についても大きく変化が無いためだと思われます。
ただ、私たち制作会社からすると「会社案内」と「人材募集」では大きく目的が異なっており、あまり役に立つデータとは言えません。
欲張ってもいい。でも優先順位は付ける。
「そうはいっても当社のホームページを見る人は様々で、名刺のような役割も果たして欲しいし、営業マンの方の手助けとなるようなツールにもなって欲しいし、同業者に見て欲しいページもあるし、ブランディングにも一役買ってもらいたい」と様々な要望が出てくるはずです。
もちろん要望を出すことは良いことです。素晴らしいことです。しかしホームページを作る際には予算という障壁が必ず立ち塞がります。予算によっては要望を全て実現できない可能性も出てきます。
そこで役に立つが優先順位です。
事前に社内で「ホームページで達成したいことリスト」の優先順位について意識統一をしておき、その上でホームページ会社の様々な提案を聞きます。受けた提案に新しい発見があれば取り入れたらよいでしょう。そしてまた優先順位を付け直しましょう。本来の目的からズレてはいないだろうか。ホームページが完成したときに目的は達成できるだろうか。中途半端になっていまってはいないだろうか。と必ず振り返って確認してください。
そうやってしっかり優先順位を付けていけば必ず良いホームページが出来上がるはずです。よくよく考えれば当たり前のことですが、実際に依頼するときには忘れがちです。基本をしっかりと抑え、素晴らしいホームページを完成させましょう。
それでは次にホームページを利用するユーザーである「ターゲット」について考えていきましょう。目的の明確化がうまくできない場合、ターゲットから考えてみると考えがまとまるかもしれません。