セッションとは?ベンチマークの意味?まだ知らないアナリティクス用語をまとめて覚えよう!
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ユニバーサルアナリティクスの移行に伴い、GoogleAnalyticsの管理画面に多くの機能が追加されました。しかしカタカナばかりで、文字を見ただけでは、どんな機能なのかよくわからなくて、そのまま調べずに放置してしまっている……という方も結構多いのではないでしょうか。
そこで今回はGoogleAnalyticsの管理画面の中から、特に分かり辛いのではないかというものを6つピックアップいたしました。ざっくりとした解説ですが、これを読めば一通り把握はできるようになるでしょう。
目次
セッション
ページビューとユーザー数は理解しているけれど……という人、多いですよね。セッションを簡単に説明すると、1人のユーザーが行った以下の動作をまとめて1つのセッションとしています。
- スクリーン/ページビュー … ページをめくったとき
- イベント … 「ファイルダウンロード」など管理者が分析のため設定したイベントが起こったとき
- ソーシャルインタラクション … サイトのソーシャルボタンを押したとき
- eコマーストランザクション … 商品を購入したりしたとき
覚えておきたい点としてはページビューだけでなくイベントなどもカウントされるという点です。ウェブサイトに設定しているイベントが多ければ多いほどセッション数にも影響が出てくるということになります。
ただしセッションの計測には条件があって、以下の条件の場合は別のセッションとして計測されますので注意が必要です。
- 最後の動作を終えてから30分以上経った
- 別の参照元から再度流入してきた
- 午前0時を回った
つまり、ウェブサイトに訪問し、用事が出来て30分以上、席を離れ戻ってきて再びウェブサイトを閲覧した場合、2セッションとなります。ちなみにセッションという言葉はGoogleAnalyticsのいたるところで使用されます。今回説明したのは、ウェブサイト解析の際に使用されるセッション計測の概念について説明しています。(アプリなどはまた変わります)
もっと詳しい算出方法を知りたい方は下記リンクからどうぞ。
アナリティクスでのセッション数の算出方法 – アナリティクス ヘルプ
https://support.google.com/analytics/answer/2731565?hl=ja
アナリティクスの AdWords クリック数、セッション数、ユーザー数、閲覧開始数、ページビュー数、ページ別訪問数の違い – アナリティクス ヘルプ
https://support.google.com/analytics/answer/1257084?hl=ja
なぜセッションという概念が登場したのか
GoogleAnalyticsはこれまでウェブサイトの解析のために長らく使用されてきました。しかし近年スマートフォンやタブレットの登場により「スマホアプリでニュースをチェックしてPCで後からじっくり見る」といった行動のように、ユーザーのマルチデバイス行動が目立つようになり、ウェブサイトに訪れるユーザーを計測するだけでは、ユーザーを分析しきれない状況になってきました。
そこでウェブサイトだけでなく、アプリでの行動など、これまで以上にユーザー行動を可視化するためユニバーサルアナリティクスへと移行し、セッションという新しい指標を作ったのです。
アトリビューション
管理画面で「アトリビューション」をクリックすると「モデル比較ツール」と出てきますが、一体これが何を分析しているのか気になりますよね。
アトリビューションはウェブサイト集客の施策のうち、どの施策に力を入れたら良いのかを分析するツールです。
例えば、とあるユーザーのコンバージョンまでの経路が「Twitter広告を見て初めてウェブサイトに訪問し、数日後メルマガから再度訪問、また数日後にリスティング広告から訪問しコンバージョンに至った」というものだったとします。
これまでの集客の評価方法は、最後に経由した「リスティング広告」からコンバージョンしたものとして評価されがちでしたが、“じゃあその前にきっかけになっていたTwitter広告やメルマガは評価してあげなくてもいいの?”という疑問から登場したのがアトリビューションという考え方です。
で、「アトリビューション」の「モデル比較ツール」ですが、アトリビューションには様々なモデル(考え方)があります。今回は3つのモデルを先ほどの例(Twitter広告→メルマガ→リスティング広告→コンバージョン)で説明します。
※評価の数値はあくまでも解説のための参考数値です
線形アトリビューションモデル
線形アトリビューションモデルは、Twitter広告・メルマガ・リスティング広告を、それぞれ1:1:1で評価するモデルです。つまりコンバージョンに至るまでの経路を、どれも同じ評価にしてあげるという考え方ですね。
減衰アトリビューションモデル
減衰アトリビューションモデルは、Twitter広告・メルマガ・リスティング広告を、1:2:3で評価するモデルです。コンバージョンに至る経路のうち、最後に近いほど高い評価とする考え方です。
接点ベースアトリビューションモデル
接点ベースアトリビューションモデルは、Twitter広告・メルマガ・リスティング広告を、2:1:2で評価するモデルです。コンバージョンに至る経路のうち、最初と最後に近いものほど高い評価をするという考え方です。
どのモデルを利用するかは人によって違いますが、アトリビューションを使用することにより、これまで軽視されてきた流入経路に広告費を投入したほうがコンバージョン数が上がる、ということが起こるかもしれません。
インテリジェンスイベント
インテリジェンスイベントとは、ウェブサイトに起こった急激な変化をGoogleAnalyticsがお知らせしてくれる機能のことです。どのような変化が起こったかというイベントはGoogleAnalyticsが自動で作成してくれますので、例えばいくつもウェブサイトを運営しているような人は、とりあえず毎日インテリジェンスイベントを見ておけば大丈夫、という訳です。
例えば下記のような急な変化を知らせてくれます。
- 急激にアクセス数の増えたページ
- 離脱率が急激に上昇しているページ
- 特定の地域からの訪問数が急激に増加
- 特定の参照元からのアクセス数が急増している
などなど、いくつもありますので、一度GoogleAnalyticsを覗いてみてください。
ちなみにオリジナルのイベントも作成できますので、例えば「/blog/category/abc/のURLで始まるページの中で、前週に比べてアクセス数が100増加したページ」といったイベントなどを作成できます。またメールでお知らせしてもらうように設定も可能です。
コホート分析
コホート分析は、ウェブサイトへ訪問するユーザーの定着率を分析したいときに使用する機能です。
例えば、1日限定のキャンペーンを行った際に、そのキャンペーンから流入したユーザーが狙い通りに定着しているのか確認したいときや、定期的に訪問してもらうことで利益が出るようなウェブサイトで、ユーザーがよく離脱してしまう日数を調べ、そのタイミングで広告的アプローチをしたい場合なんかに役立ちます。
実際にとあるサイトのコホート分析を見てみましょう。
上記の画像は、とあるウェブマガジンサイトのコホート分析です。データを見ると12/10に訪れたユーザーの定着率が他の日よりも良いことに気付きます。このウェブサイトはウェブマガジンですから、12/10に投稿した記事と同じネタや方向性の記事を、これから多く投稿していくことで、より多くのユーザーを獲得できるかもしれない…、といったことがわかります。
ベンチマーク
自分のウェブサイトは同業種(競合)のウェブサイトと比べて滞在時間や直帰率はどう違うんだろう……そんなことを気にしたことはありませんか?それを解決してくれるのがベンチマークという機能です。驚きですよね!競合の情報がわかっちゃうんですから。
ただし、この機能の利用には前提があって、データ共有設定で [Google と他のサービス(匿名の形式)] をオンにする必要があります。つまり自分自身もデータを公開することにより、競合の情報が得られるようになるという訳です。また、比較できる業種も限られていますから、かなりニッチな業種ですと比較し辛いかもしれません。
ざっくりとどのような比較ができるのかご説明しますと、まず、
- チャンネル比較(検索、広告、ソーシャルなどのアクセス流入別)
- 地域比較(どの国からのアクセスが多いか)
- デバイス比較(PC、モバイル、タブレットの他社との違い)
といった切り口から調べることができます。そしてその切り口別に、
- セッション数
- 新規セッション率
- 新規セッション数(新規ユーザーによるセッション数)
- ページ/セッション(セッションあたりの閲覧ページ数)
- 平均セッション継続時間
- 直帰率
の比較をすることができます。さらに詳細設定次第では、例えば東京だけの同業種で比べたり、アクセス数が同程度の業種とだけ比べてみたり、といった比較も可能ですよ。
アフィニティカテゴリ
アフィニティの訳である「(共通の起源などからくる)密接な関係、類似性」の意味の通り、ウェブサイトに訪れるユーザーがどのような類似性を持っているのかを調べることが出来ます。もっと簡単に言い換えると、ウェブサイトに訪れるユーザーは他にどんな興味を持っているのかを調べることが出来ます。
例えば引っ越しサイトの場合、アフィニティカテゴリを調べることで、新居探しに興味を持っていることがわかります。また、転職サイトなどを閲覧していることもわかると思います。
つまり、自分のウェブサイトに訪れるユーザーの他の興味関心を調べることで、潜在的なユーザーを掘り起こすことができるかもしれないのです。先ほどの引っ越しサイトの場合ですと、賃貸物件探しのキーワードで引っ越しの広告を出してみると、もしかするとコンバージョンしてくれるかもしれませんよね?
ただ、GoogleAnalyticsの管理画面では興味関心ジャンルを全て英語で記載されていますので、英語が苦手な方はコピペで翻訳しながらの解析になってしまうのが辛いところです。
以上で6つ、分かり辛いであろうGoogleAnalytics用語解説でした。参考になりましたでしょうか。
今後も次々と新しい機能が実装されていくと思いますが、時代の流れに取り残されないよう、積極的に機能を使いこなしていきましょう!
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