01加工事例ページが引き合いを左右する理由
担当者が新しい外注先に図面を送るのは、小さくない判断です。品質や納期で問題が起きれば、社内で責任を問われるからです。そのため、見積を依頼する前に「この会社は、うちの部品に近いものを作った経験があるか」を確かめます。
会社紹介や設備一覧だけでは、この問いに答えられません。具体的な部品と、それをどう作ったかを示す加工事例が、比べる段階での決め手になります。また、事例ごとに材質や加工方法の言葉が入るため、検索の入口としても働きます。
021件の事例に載せる項目
担当者が自社の部品と見比べられるよう、次の項目をそろえます。すべてを埋められなくても、分かる範囲で具体的に書くことが大切です。
| 項目 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 部品・用途 | 何の部品か、どこで使われるか | 半導体製造装置のブラケット |
| 業界 | 依頼元の業界 | 産業機械、医療機器、自動車 |
| 材質 | 材料の名前 | SUS304、A5052、S45C |
| サイズ・形状 | おおよその寸法、形状の特徴 | 120×80×30mm、薄肉・深穴あり |
| 精度 | 求められた公差や面粗さ | ±0.01mm |
| 数量 | 試作か量産か、ロット数 | 試作5個 → 月産300個 |
| 加工方法・設備 | 使った工程と機械 | 5軸マシニングで一体加工 |
| 納期 | 受注から納品までの期間 | 図面受領から2週間 |
表の数字は書き方の例です。実際の事例では、御社で確かめられる数字だけを載せてください。
03「課題→対応→結果」で書く
項目を並べるだけでは、技術の「工夫」は伝わりません。本文は、どんな課題があり、どう対応し、どうなったかの順で書きます。
課題:何が難しかったか
形状、精度、材質、数量、納期など、依頼の難しさを書きます。「他社で断られた」「歪みが出ていた」といった背景があれば、それも書くと担当者が自分ごととして読めます。
対応:どう工夫したか
工程の組み方、治具の工夫、加工方法の選び方、検査の方法など。ここが御社の技術力が一番表れる部分です。
結果:どうなったか
精度が出た、工程が減って納期が短くなった、一体加工で部品点数が減った、など。数字で言えることは数字で書きます。
書き方の例
溶接で組み立てていたブラケットに歪みが出て、組付けで調整が必要になっていました(課題)。5軸マシニングでの一体加工に切り替え、段取りを1回にまとめました(対応)。溶接の工程がなくなり、組付け時の調整が不要になりました(結果)。
04取引先名や図面を出せない場合
製造業では、守秘義務で取引先名や図面を出せないことがほとんどです。それでも事例は書けます。
- 取引先名の代わりに「業界」と「部品の用途」を書く(例:医療機器メーカー様の装置部品)
- 形状が特定されないよう、写真はアングルを工夫するか、似た形状の試作品で撮る
- 寸法は「〇〇mm程度」と幅を持たせる
- 公開する前に、取引先に掲載してよいか確認する
担当者が知りたいのは、取引先の名前よりも「どんな部品を、どう作れるか」です。
05写真の撮り方
写真は、加工品の質感と精度が伝わることを優先します。背景は無地にし、斜め上から形が分かる1枚と、加工面に寄った1枚があると十分です。大きさの分かるもの(定規やノギス)を一緒に写すと、サイズ感が伝わります。加工中の様子や、検査している写真があると、工程への信頼が増します。
06事例一覧の並べ方
事例が増えてきたら、担当者が自分の部品に近いものを探せるように並べます。
- 加工方法、材質、業界で絞り込めるようにする
- 一覧には、写真・部品名・材質・加工方法を表示する
- 各事例の最後に「同じような部品の見積を依頼する」入口を置く
- 加工方法のページから、関連する事例へリンクする
事例から直接見積フォームへ進めるようにすると、比べる段階から依頼までの距離が短くなります。見積フォームの作り方は図面を添付できる見積フォームの作り方をご覧ください。
まとめ事例は、技術の証明書
加工事例ページは、担当者が「この会社に頼めるか」を判断するための証拠です。部品・材質・精度・数量などの項目をそろえ、「課題→対応→結果」で工夫を伝えます。取引先名を出せなくても、業界と用途で十分に伝わります。
事例を書く時間がない場合は
引き合い製作所では、担当の方に話を伺い、事例の原稿をこちらで書き起こします。掲載前には必ず内容を確認いただきます。製造業専門のホームページ制作について